「バジルチキンライス」の具材を
汁なし麺に流用した疑いがもたれている
しかし、これにはプロローグがありました。2019年の初春、日高屋が「バジルチキンライス」なるメニューを展開し、一部の好事家の度肝を抜いたのは記憶に新しいところです。
ラーメンやぎょうざなど、“中華食堂”にふさわしい料理が多い中で、突然あらわれたカタカナ9文字。その内容は、やや塩辛い鶏肉、ピリッとしたスパイシーな辛さが際立つ味付けの「あんかけごはん」でした。個人的には「タイ風のガパオライス」とは異なる味わいに意表を突かれましたが、まあ、これはこれでアリかな、と感じさせるものではあったと思います。
さて、日高屋の店舗に足を運んでみれば、なんと期間限定販売だったはずの、バジルチキンライスも提供されているではありませんか。なので、ガパオ汁なし麺は、バジルチキンライスの上にかかっている部分を、そのまま汁なし麺に流用したものと考えてよさそうです。これならローコストで新メニューが開発できるわけですね。
「そもそも、なんでこの路線で新メニューを作るんだ」と言われると困りますが、「ごはんにかけているやつを麺にかけるだけじゃん」というのは確かにラクです。中華丼の具をラーメンにかけて五目あんかけラーメンにする、みたいな話かと。
ちなみにタイ語で「ガパオ」として知られているのは、ホーリーバジル(和名:カミメボウキ)の葉で、シソ科の植物。タイホーリーバジル、クラッパオなどとも呼ばれます。ちなみに「タイバジル」はいわゆる「バジル」(和名:メボウキ)の品種であり、カミメボウキとは異なるとか。
タイには肉とタイホーリーバジルを炒めた「パットガパオ(パッガパオとも)」という料理がありますが、日本では、パットガパオを白飯とあわせた「ガパオライス」として有名です。ガパオライスと称しているのにバイマックルー(こぶミカンの葉)やスイートバジルを使っているお店もあるそうで、むしろ、こちらのほうがなじみ深い人もいるかもしれません。
日高屋に話を戻しましょう。かたや「バジルチキンライス」、かたや「ガパオ汁なし麺」。バジルなのかガパオなのかはっきりしないあたり、かなり脇が甘い気がしますが、ここは深く追求しないことにしましょう。
問題は、このメニューがおいしいかどうか。ガパオ+汁なし麺という、ミステリアスなメニューに挑んでみました。
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