5月9日に、東京目黒区にあるBlackmagic Designのオフィスにて、NAB2019新製品展示会が行なわれた。
4月にラスベガスで開催されたNAB Showに数多くの新製品を出展したが、そのなかから「HyperDeck Extreme 8K HDR」や「ATEM Constallation 8K」などの8K対応機器ならびに編集ソフト「DaVinci Resolve 16」などが、日本で初のお披露目となった。
ブラックマジックデザインは、ハイエンド向け映像機器や編集ソフトを手がけてきた米国の企業で、世界各国へ展開している。
日本には発表会が行なわれた東京と大阪にも拠点があり、比較的低価格で編集ワークステーションを実現できるため、映像業界やクリエイターに人気も高く、この日の発表会にも大勢の人たちが詰めかけていた。
今回発表された8K対応機器は、数年前までBlackmagic Designとしては絶対にないと言っていたが、2年前にグラント・ペティーCEOがInterBEEへ訪れた際にNHKの8Kコンテンツなどに触れ、8Kコンテンツの需要は高まっていると判断。今回のハードウェア製品の発表につながっている。
一方、ノンリニアビデオ編集ソフト「DaVinci Resolve 16」は、8K編集に対応しつつ、新たにカットページ機能が搭載され、リニアビデオ編集のようなサクサクとクリップを見つけ、スピーディーな編集作業が行なえるようになった。
これもグラント・ペティーCEOが、日本ではまだリニアビデオ編集で作業をしている人が多いことを知り、その理由の1つが作業を速くできることだと聞き、ノンリニアビデオ編集でありながらリニアビデオ編集のような軽快さを実現しようとしたものだ。
ほかにもAIを活用した機能も追加されている。たとえば、人の除去を自動で行なったりできるオブジェクトリムーバーや、人の顔を識別して同じ顔のあるクリップを自動的に抽出してくれたりする。
また、7月発売予定の「DaVinci Resolve Editor Keyboard」も合わせて利用すれば、ほとんどマウスを使わずとも編集作業が可能となり、さらに軽快な環境を手に入れられる。
会場では、今回紹介した新製品を中心に展示されていた。こういった映像編集では、ハイエンドなパソコンが要求されるが、「DaVinci Resolve 16」を動作させ編集用機器が接続されて展示されていたのが、マウスコンピューターのDAIVシリーズである。
クリエイター向け機器として販売されているDAIVシリーズだが、ブラックマジックデザインがこのようなデモを行なう際に以前から貸し出しているという。
特に編集用機器との接続検証はなかなか行なえるものでもないため、マウスコンピューターとしてもフィードバックが得られて今後の開発にも役立っているとのことだ。
また、今回の新製品ではないが、デスクトップタイプのDAIV-DGX760シリーズに4K4系統入力対応のキャプチャーカードを搭載して、リアルタイム映像配信をするデモも行なっていた。
eスポーツを想定した構成で、カメラ2台とパソコン2台を接続。ゲーム画面とプレイヤーの表情を4分割で表示したり、PinP表示したりなどを可能にしている。
CP+では、Photoshopを使ったカメラユーザー向けのデモを行なっていたり、今回は映像編集分野でのデモをするなど、クリエイティブな活動をサポートするDAIVシリーズ。マウスコンピューターはプロが使っても満足のいく製品づくりを目指している。
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