その存在が以前から囁かれていた、グーグル製スマホの廉価モデル「Pixel 3a」。7日(現地時間)の発表とともに、日本からもSIMフリー版の注文が可能になった(ソフトバンクも取り扱いを表明)。4万円台でおサイフケータイにも対応する同機について、上位モデルとの比較を中心に、まずはスペックを確認していく。
ノッチがないスタンダードなミドルクラス機
Pixel 3aは特にコンパクト&軽量で魅力的
まずはモデル構成。上位機と同じく、サイズ違いの「Pixel 3a」(4万8600円)、「Pixel 3a XL」(6万円)が用意される。ストレージはともに64GBのみ。なおメモリーカードの追加には対応していないが、PixelユーザーにはGoogleフォトのストレージを無制限で利用できる特典が用意されている。
ディスプレーは、Pixel 3 XLのみノッチ付きだったが、Pixel 3aは2モデルとも通常の長方形。ミドルクラスながら有機ELパネルを採用する。
Pixel 3aは、18:9で5.5型だったPixel 3に対し、縦方向に拡大した18.5:9の5.6型に。額縁もPixel 3よりはやや太くなっており、横幅は70.1mmとなった(Pixel 3aは68.2mm)。それでも最近のスマホの中では比較的コンパクトで片手でも使いやすい。重量も147gと軽量。
一方のPixel 3a XLはノッチが無くなった分、表示領域が狭くなった6型ディスプレー(18:9、Pixel 3 XLは18.5:9の6.3型)を採用。ただ重量は167gと軽量になっている(Pixel 3 XLは184g)。軽量化の要因として、本体にポリカーボネートのユニボディーを採用している点もあるだろう。上位機はメタルフレーム+ガラス素材だったわけだが、パッと見で違いはあまり感じず、シンプルで実用的なデザインには逆に合っている印象。なお、ワイヤレス充電には非対応になった。
CPUはミドルハイクラスのSnapdragon 670(2GHz+1.7GHz、オクタコア)に変更。表示の切り替えやカメラの操作などで性能差は当然感じる場面はないわけではないが、使い比べなければ不満は生じないはず。フラグシップ機としては少なめだったメインメモリーは4GBのままで変わっていない。
ネットワーク面では対応バンドは若干減っているが、国内での利用を考えると、1.5GHz帯への対応を含めて十分なもの。auネットワークでのサポートもすでに公表されている。各種の格安SIMとの組み合わせもバッチリだ。ただし、上位機同様にシングルSIMである。
カメラについては、アウトは上位機同様のシングルカメラ。画素サイズ1.4μmでデュアルピクセルの12.2メガセンサーといったスペックも同じ。ソフトウェア処理による、夜景モードやポートレートモードでのキレイな背景ボケなども同等とされる。ただし、上位機に搭載されていた「Pixel Visual Core」という名の画像処理用プロセッサは省略されているという。インカメラは上位機では標準+広角のデュアルだったが、シングルになっている。
もう1つ省略されたのが防塵防水。IP68の本格的な防水仕様はPixel 3aには採用されていない。一方でFeliCa対応が継続されたのは大きなメリットだろう。逆にプラスされたのがイヤフォン端子。Type-C接続のイヤフォンは付属しなくなったが、これは大きな問題ではない。USB-PDによる急速充電に対応し、製品にも18WのACアダプターが同梱されている。
カラバリはクリアリーホワイト、ジャストブラックは上位機と共通。そして上位機のノットピンクに代わって、パープリッシュを用意。白のようで紫がかっているという、ちょっと不思議な本体色だ。イエローの電源キーもワンポイントになっている。
最新のOSやセキュリティパッチのアップデートが3年間受けられるというメリットが非常に大きい、グーグルのPixelシリーズだが、従来のPixel 3は割高感があり、手が出しにくいと感じた人も多いはず。FeliCa対応も含めた、この性能でこの価格となると魅力は相当に大きい。人気モデルになるのは確実の1台だろう。
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