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KDDI MUGENLABO DAY 2019

5G×気鋭のスタートアップ7社 新世界を見据えたビジネスプレゼン

生産者と消費者を直接つなげることで、日本の「農」を変える

 株式会社ビビッドガーデンは、IT技術により日本の「農」を変えていく、というプレゼンを実施。

 農家はきつい仕事のわりに儲からず、廃業が増えている現状を述べ、その原因として流通に問題があると指摘。農作物が消費者に届くまで、中間業者が多く、さらに価格は一律で納品されるため、良い作物を作っても農家に恩恵がないという。

 そこで農家と消費者をネット上で直接結ぶサイト、「食べチョク」を運営。中間業者を通さない分、鮮度の高い野菜が消費者に早く届き、生産者も良いものは高く売れるので利益が高まるという。

 サービス開始から1年半で300件の農家が登録、今後はこの生産者のデータベースがさらなる強みになる、と自信を見せた。現在では、企業内で農産品の直売、マルシェの開催など、コンテンツの開発にも力を入れていくなど新たな展開を見据えている。

通信で山を誰もが安全な場所に

 スマホは便利な道具であると同時に、自然の中では命を守るツールになる、と指摘したのが株式会社ヤマップだ。

 山岳部ではスマホの電波は入らない。しかし山の中でもスマホに搭載されているGPSを使えば、遭難などの危険性を大きく減らすことができる。そこで登山アウトドア向けウェブサービス・スマホアプリ「YAMAP」を開発した。

 LPWA(Low Power Wide Area)と見守りサービスを組み合わせ、山の中でも登山の情報をリアルタイムで共有。登山だけでなく、スキーやスノーボードなど、山を安全に楽しめる環境を、IT技術で実現し、市場を拡大できる、としている。

遠隔操作で身体の機能を拡張させる

 工業用のロボットを開発している株式会社TELEXISTENCEは、5Gを使うことでさらなる可能性が拓ける、と主張する。インターネットとロボットを組み合わせることで、人間の能力を拡張できる、というのだ。

 ロボットは、物をつかむ、といった労働作業は得意だが、不測の事態に対応する不定形な労働は苦手、とされてきた。しかし通信で身体の機能を拡張し、AIによる制御することができれば、これまでできなかったようなさまざまなことが可能になる。

 たとえば、遠距離で移動コストが高いもの、宇宙空間や原子炉内などの危険な空間での作業も実現できるとのこと。またTELEXISTENCE開発の遠隔操作可能なロボットの手は49もの関節からなっており、それが高い優位性になっている。関節が多ければそれだけそこから取れるデータが多くなり、繊細なフィードバックが可能になるのである。

VRでビジネスコミュニケーションを変えていく

 5Gの世界でより発展するであろう、VRの可能性を発表したのが株式会社Synamon。

 VRでは、過去の空間を疑似体験したり、有名人と対話するなど、ネット空間でさまざまな体験ができる。これをコミュニケーションツールとして、ビジネスに活用できるサービスを開発した。ネット空間上でアバターを使い、ミーティングができるというもの。海外などの遠距離であっても、リアルタイムでコミュニケーションが取れ、さらにアバターだから話しやすいという。

 これまで29社で実証実験を行ない、サービスを体験した327名のうち95%がVRはビジネスで使える、と回答。この結果を踏まえ、4月には新バージョンのサービスの提供を開始し、5G時代のコミュニケーションサービスとして育てていく、とした。

5Gの世界で融合する新ビジネス

 7社の発表を聞き、来場者が投票を実施。最も支持されたビビッドガーデンがオーディエンス賞を獲得、さらにKDDI MUGENLABO賞として、アラヤが選ばれた。

 KDDI株式会社ビジネスインキュベーション推進部部長の中馬和彦氏は、改めて2019年は5Gによってネットとリアルの関係が変わっていくことを指摘。5Gの世界は、新たなビジネスモデルが生まれる世界であると述べ、イベントを締めくくった。

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