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「バーチャルマーケット3」開催を発表! VRの最新の活用法や未来も語られた

2019年04月23日 21時00分更新

VRで表現された身体の状態で心が変化!?

 2つ目のセミナーは「自在な心を生み出すインフラとしてのアバタ」という題にて、東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 鳴海拓志氏が登壇。

東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 鳴海拓志氏

 鳴海氏曰く、バーチャル上で身体の状態を変えると、人の気持ちを誘発することができるという。たとえば、リアルタイム画像処理技術を用いて、自身の表情の疑似的変化をフィードバックすることで快・不快情動やそれに基づく判断・行動に影響を与えることができる。

 鏡の中の表情をアバターを使って笑顔に変えると、楽しい気持ちになり、悲しい顔にすると悲しい気持ちになる。つまりは、人は身体の状態に心が左右されるとのこと。

 これに伴い、お互いが笑顔に見えるビデオチャット環境のブレインストーミングでは、何もしない時に比べて回答数が1.5倍になったという。

鳴海氏曰く、空気の悪い場で意見を出そうと思ってもなかなか良い意見が出ないが、お互い笑顔でいれば良い意見が出やすいそうだ

 さらに鳴海氏は、身体拡張を通じて脳略やコミュニケーションを変化させる工学的手法を「ゴーストエンジニアリング」として研究しているという。たとえば、VRによって天才であるアインシュタインの姿になると、自尊心の低い人の認知課題の成績が向上したとのこと。

ゴーストエンジニアリングでは、バーチャルリアリティーで自分の身体(見た目など)を変化させることで、心の状態や認知を変化することを支援し、心と上手く付き合うための技術として構築できる。それには変身、分身、合体といったさまざまな手法があるようだ

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