ソニーモバイルコミュニケーションズは、2月の「MWC19」で発表した新フラグシップ機「Xperia 1」を国内メディアに紹介した。なお、初夏の発売を予定しているとのことだが、国内でのリリースについては特に触れられなかった。
ついにトリプルカメラを搭載!
超縦長画面など個性的な部分も多数
製品名も新しくなったXperia 1は、21:9という他社でもまだあまり見られない縦横比で、4K解像度の6.5型有機ELディスプレーを搭載するなど、これまでのXperiaシリーズからは一新された端末だ。
機能面で最も注目なのは背面に設置されたトリプルカメラ。標準の26mm、2倍ズームの52mm、超広角の16mmと、画角が異なる3つのレンズを採用し、いずれも約1220万画素のセンサーを組み合わせている。特に26mmと52mmについては光学式手ぶれ補正機構を搭載。電子式手ぶれ補正との組み合わせで、多様な場面での安定した写真や動画の撮影を可能にしている。
そのほかのスペックは、Snapdragon 855、6GBメモリー、64/128GBストレージ、3330mAhバッテリー、防水・防塵対応、Android 9など。6.5型と言っても21:9の縦長ゆえに、横幅は従来のXperiaのナンバーモデルと同じ、72mmを維持。片手で使いやすいサイズを維持する。縦方向はさすがにこれまでにない長さではあるが(約167mm)、ジーンズのポケットなどにはギリギリ収まるサイズと言える。
カラバリはBlack、Grey、White、Purpleの4色で、以前のXperiaのテーマカラー的存在だったパープルが復活したのもうれしい点。指紋センサーはタッチ式で、縦長のタイプのものが右側面に用意されている。
瞳AFやプロ用機材からの機能取り込みなど
ソニーにしかできない要素も多数
発表会後にはカメラ技術に関する説明会も実施された。
話題になりそうなのが、同社製デジカメ「α」シリーズではおなじみの「瞳AF」をスマホとしては世界初で搭載した点。これは被写体の瞳に対してAFを合わせ続けるもので、撮影者は構図とシャッターチャンスだけ意識していても、“バリピン”で撮れるとして非常に人気が高い機能だ。
Xperia 1では、ディープラーニングも活用した顔検出エンジンを新規開発。検出精度と速度を大幅に向上させることで、その後の処理時間も稼げたのだという。もちろん瞳を認識してもAFが追いつかなければ意味がない。ここは独自のアルゴリズムやデュアルフォトダイオードを利用して、リアルタイムで追従できるAFを実現した。
また、暗所での撮影性能も大幅に向上している。これはセンサーの大型化、F値1.6のレンズとともに、RAWデータ段階でのノイズリダクション処理を加えたことが効果を発揮し、暗い場所での高い解像感が得られるようになった。
プロ用機材で蓄積された技術の取り込みという部分もXperia 1でのアピールポイント。ソニーは映画撮影用デジタルビデオカメラの世界で「CineAlta」というブランドを持っているが、Xperia 1では「Cinema Pro」という動画撮影モードで、このブランドのカメラである「VENICE」と同じUIを採用。21:9のアスペクト比で24fpsでの撮影、また画作りのプリセットでも同様の設定が可能になっている。
またプロの撮影現場からの応用という意味では、マスターモニターの技術を採用し、映像制作者の意図を正確に反映できる表示モードを用意するという。
トリプルカメラに代表される、“イマドキ”のハイエンドスマホとして求められる機能をしっかり盛り込みつつ、瞳AFや21:9のディスプレーなどオリジナリティーあふれる要素も組み合わせられているXperia 1。例年どおりであれば、夏モデルとして各キャリアから発表されることが期待されるが、いずれにしても各社ハイエンド機に対抗しうる魅力的な新製品であることは間違いなさそうだ。
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