週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

15ヵ国対応で8000円台と安価な翻訳機「TL01」の実力をチェック!

2019年04月19日 11時00分更新

 スマートフォンのテザリングでWi-Fi接続できていれば、翻訳時にはスマートフォンを取り出して操作する必要はない。「Me」とかかれたボタンが「音声認識ボタン(自分側)」となっており、長押しして話しかけるだけ。音声認識ボタン(自分側)を離すと設定された言語へと翻訳された音声がスピーカーから流れてくる。

「Me」ボタンを押しながら日本語で話しかける

 翻訳した音声をもう一度聞きたい場合は、マイクアイコンのボタンを押せば再生される。また相手が喋っている言語を翻訳するときは、マイクアイコンのボタンが「音声認識ボタン(相手側)」になっているので、マイクアイコンのボタンを長押しして喋ってもらい、ボタンから手を離せば日本語に翻訳された音声が流れる。日本語に翻訳された音声を聞き直したい場合は「Me」ボタンを押す。

 以下は翻訳している様子。聴き取れなかった場合でも再度聞き直せる。

 中央のボタンは言語切り替えになっており、ボタンを押すと英語→中国語→フランス語→韓国語の順に切り替わる。そのほかタイ語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、デンマーク語、フィンランド語、スウェーデン語にも対応しており、言語切り替えボタンに割り当てられている言語以外はアプリから設定できる。

アプリから標準設定の4ヵ国語以外も選択可能

 ちなみに入力した音声もその言語で認識して再生可能。たとえば翻訳言語が英語の場合、「音声認識ボタン(相手側)」に英語で話しかけ、再度「音声認識ボタン(相手側)」を押すと話しかけた人の声ではなく、英語の音声が再生される。自分の英語が正しく発音できているかの練習にも使えて便利だ。

 TL01本体にディスプレーがないため、単体では翻訳内容をテキストで確認できないが、スマートフォンアプリに翻訳履歴として閲覧可能。履歴は最大3ヵ月まで保存されているので、あとからチェックすることもできるし、騒がしい場所ではスマートフォンも一緒に取り出して翻訳されたテキストを話し相手と見ながら会話することも可能だ。

翻訳した履歴は最大3ヵ月前まで公式アプリからチェックできる

 翻訳のレスポンスはインターネットへの接続状況にもよるが、テストして使って見た感じでは良好。入力した音声の長さにもよるが、音声入力を終了してボタンから指を離すと3秒から4秒ほどで翻訳した音声を再生。翻訳エンジンは「Microsoft Azure Cognitive Services」を使用しており、音声認識や翻訳精度もテストしてみた限りでは高く、ストレスなく外国語でのコミュニケーションがとれそうだ。

 バッテリーは充電式で、本体下部にあるmicroUSB端子を使って給電する。約2時間の充電で8時間の連続使用に対応しており、30分間操作がなかった場合は自動的に電源がオフになる。長時間連続で使用するタイプのアイテムではないので、1日持ち歩いて使うには十分のスタミナだ。

本体下部に充電用のmicroUSB端子がある

 他社の翻訳機は対応言語が本機の倍以上、オフライン翻訳や双方同時通訳対応など、多機能な製品も多いが、その分2万円台後半と高価だったりする。さらに、モバイル通信機能を搭載していれば、そこから月々の通信料もかかる。

 しかしながら「TL01」は、モバイル通信機能やディスプレーこそないが、そのぶんシンプルで持ち運びやすく操作もわかりやすい。

 価格も8980円(税別)と1万円以下でコストパフォーマンスも◎。機能を割り切った製品というと、一方向のオフライン翻訳のみに特化し、1万円ちょっとの価格で購入できる「illi」などもあるが、それよりも安い。

 Wi-Fiの接続先はスマートフォンのテザリングだけでなく、固定回線のWi-Fiルーターなどでも使えるので、個人向けの海外旅行だけでなく外国人観光客の多いショップやレストランなどの接客用に導入しても良さそうだ。

 注意したい点はというと、本製品が採用しているクラウドベースの翻訳エンジンのサービスの提供が2023年11月30日までになっているという事。しかしながら、翻訳機の進化も最近は著しいため、今から4年も経てば新しい商品やサービスなど、翻訳機のトレンドも変わっていることだろう。

 そのため、「TL01」は長期間にわたって、数多くの国に行くというような人というよりは、今もしくは近々翻訳機が必要になるが、使う回数は少ないため最も安く手軽に済ませたい、という人にはオススメだ。

●関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう