第2回かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)デモデイ
超高齢社会の日本だからこそできるインバウンドサービス
「宇宙開発の技術を活か-した次世代蓄電池デバイスと高精度測位システム」スペースリンク
CTOの阿部俊雄氏が、三菱重工時代に人工衛星を開発。そのとき電池が短命たったことから、カーボンナノチューブ(CNT)を利用した蓄電池の開発に着手・起業。開発は難航し、ようやくこのナノ炭素材料を電極として成形し機能させる方法をあみだしたという。
これにより、スマホが1以内に充電を完了したり、電気自動車やロボットの充電時間を大幅に短縮させ、利便性や稼働率の向上、そして身につけていても安全・安心なCNTキャパシターを実現すべく、開発している。CNTキャパシターの特徴は、超急速充電が可能であり、不燃性電極により発火や発熱の恐れがなく、充放電による性能劣化が低いこと。まさに夢の蓄電池なのである。
KSAPの成果としては、ポストCTO候補としての人材を確保。さらにロボットの開発会社からの試作開発に協力や実証実験の協力などを顧客開発も順調に進んでいる。資金調達面では、2019年の4~5億円の調達に向けた投資家への頭出しを目標に進めていたが、期間中は顧客開拓に注力したことにより実施出来なかった。一方で期間中には1.3億円の第三者割当増資を完了させている。
現在は、CNTキャパシタによるジテ世代蓄電池デバイス事業だけでなく、高精度測位システム事業も行なっており、どちらの事業も試作品の受注受付を行なっている。CEOの阿部晃城氏は「今後、日本を代表する企業として世界展開を目指して頑張っていきたい」と意気込みを語った。
「テイクアウト料理を事前注文・決済できるアプリPicks!」DIRIGIO
中食市場は年々成長しており、2017年には10兆円を突破。約54万店舗のうち、約半数がすでにテイクアウトを実施している。ただ、販促チャンネルがないこと、時間がかかること、FAXや電話での注文では負担が大きくミスも多いことが課題。これらを解決すべく開発したのが「Picks!」だ。
スマホで店舗を選択し、注文してスマホで決済すれば、あとは店舗から調理完了のお知らせが届いたら取りに行くだけ。待ち時間0でテイクアウトが可能となる。
KSAPでの成果としては、昨年9月から今年の2月までに導入店舗数が2.5倍に増加。150店舗以上に導入され、現在数十店舗規模の飲食チェーン店との話も進んでいるという。ほかにも似たようなサービスはあるが、Picks!は低価格で集客力が高いのが売り。直近6ヵ月でオーダー数と流通額は約20倍に成長。資金調達にも成功し、日本政策金融公庫から資本性ローンとして数千万円の融資を受けている。
今後の課題としては、ドミナント地域の創出と集客ちゃんねるの多様化を目指している。代表取締役の本多祐樹氏は「仕組みを変えてよりよい社会を作るという点では、県のビジョンと一緒だと考えています。KSAPはこれで終わってしまいますが、我々はテイクアウトのプラットフォームを作ることで、よりよい社会や生活を作っていきたい」と最後に語った。
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