映像はオープン路線に
日本のユーザーが見たいと思えるコンテンツは用意できる?
逆にオープンな路線をとるものもある。
Apple TV channlesやApple TV+といった映像配信サービスは、iPhone、iPad、Apple TV、MacBookなどに加えて、サムスン電子やLGエレクトロニクス、ソニーなどのスマートTVやFire TVにも配信される。
ドラマや映画などの映像コンテンツは、やはり大きなテレビで見たいものだ。しかし、Apple TVにはiPhoneほどの商品力はない。また、アップルとして、わざわざテレビ受像器を作るというわけにもいかない。
魅力的な映像コンテンツを制作するには、やはり視聴者の数がものを言う。テレビへの対応を考えたとき、他社のスマートTVに配信するというのが手っ取り早いと判断したのだろう。
Apple Arcadeは150ヵ国以上、Apple TV channels、Apple TV+は100ヵ国以上の国と地域でリリースされる予定だ。いまのところ、日本でのサービス展開について言及はないが、これらについては日本語のリリースも出ていることから、国内上陸の可能性は極めて高そうだ。
Apple Arcadeは日本でもスマホでゲームを楽しむユーザー数が多いため、安定した収益源になるだろう。問題はApple TV channles、Apple TV+でどれだけ日本のユーザーが「見たい」と思えるコンテンツを揃えられるかだ。
実際、スペシャルイベントでは、さまざまなゲストが登壇し、そのたびに会場は大盛り上がりであったが、正直、筆者がわかったのは、スティーブン・スピルバーグ監督とJ.J.エイブラムス監督ぐらい。あとはすっかり周りに取り残されてしまった。
日本で比較的ユーザーが多いAmazon Prime Videoは、日本でコンテンツ調達を行ない、テレビCMも積極的に流し、Prime会員なら無料で観られる強みがある。
同様に、今回アップルが発表したニュースや雑誌の読み放題サービス「Apple News+」や、クレジットサービス「Apple Card」も、iPhoneユーザーの多い日本で早期に提供すべきサービスだ。
アップルがサービスで成功するには、いかに英語圏だけでなく、さまざまな言語と文化にローカライズできるかがカギとなりそうだ。ただ、音楽サービスやFeliCaの決済サービスなど、アップルはこれまで日本市場の期待に応えてきただけに、あとは「いつやるの?」という日程だけの問題だけではないだろうか。
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