会場に入った時点でわかったサービス中心の発表会
3月25日(現地時間)、Apple Special Eventがスティーブ・ジョブズ・シアターで開催された。
アップルから招待状には「It’s show time」というフレーズがあり、当初から「今回のイベントは動画やニュース配信などサービスの発表が中心」という噂があった。
先週、アップルがiPad Air、iPad mini、iMac、AirPodsを立て続けにプレスリリースとして発表したときに「こりゃ、来週はサービス発表がメインだな」と確信に変わった。さらに発表会当日、会場に足を踏み入れたら、いつもはタッチ&トライ会場として利用している場所がすでにオープンされており、何も置いていない状態であった。これで「絶対にサービスの発表会だわ」と観念した。
とはいえ、ハードがなかったからといってつまらなかったというわけではなく、むしろ、アップルがこれから「サービスも強化していく」という方向性が見えて、満足度は高かった。
発表会の冒頭、ティム・クックCEOは「アップルはハードウェアとソフトウェア、さらにサービスの3つを手がける唯一の会社だ」と言い切った。確かに、この3つの垂直統合モデルがアップルの強みである。
ティム・クックCEOは決算会見などで「これからはサービスに注力する」とも語っている。
世界中にiPhoneが普及し、これからさらに爆発的にiPhoneを売りまくるというのは難しい。それであれば、iPhoneというプラットフォームを生かし、その上にサービスを売っていくというのは自然な流れだろう。
日本でも受け入れられるであろう新ゲームサービス
グーグルの新プラットフォームを皮肉る余裕も
今回、主に4つのジャンルでサービスを強化したが、中でも注目は「Apple Arcade」だ。
月額課金で100本以上の優れたゲームアプリを使い放題で提供する。広告も表示されず、アイテム課金なども存在しない。
アップルがちらっと強調していたのが「オフラインでも遊べる」という点だ。
これは間違いなく、先日、グーグルが発表したゲームプラットフォーム「STADIA」を皮肉ったものだ。STADIAは、クラウドで処理をするゲームであるため、当然のことながら、インターネットにつながっていない状態ではゲームを楽しめない。
インターネット接続が絶対条件のSTADIAに対して、アップルアーケードは「オフラインでも遊べるよ」という点を強調したかったわけだ。
これらの100本以上のゲームは、Apple Arcade独占で配信される。つまり、遊びたいゲームがあるなら、iPhoneやiPad、MacBookやApple TVがなくてはならないのだ。
ここ最近、スマホ単体ではスペック的にAndroidと差別化が難しい。そのため、サービスで独占的なゲームを供給することで、Androidとの違いを見せたいのだろう。
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