週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

日本市場でも200%を超える急成長を実現

いまだハンドメイドなソフトウェア開発を自動化するOutSystems

2019年03月08日 16時00分更新

 2019年3月8日、ローコード開発プラットフォームを提供するOutSystemsジャパンは、国内初となる事業説明会を行なった。カスタムアプリケーションのコードを自動生成するOutSystemsの概要や日本でのビジネス展開についてOutSystemsジャパン社長のアーノルド・コンセンコ氏などが説明した。

OutSystemsジャパン 代表取締役社長 北東アジア統括責任者 アーノルド・コンセンコ氏

開発から運用まで全ライフサイクルをカバーする

 OutSystemsは2001年にポルトガルのリスボンで設立されたソフトウェアベンダー。カスタムアプリケーションをビジュアル環境で開発できる「OutSystems」を提供しており、約1200万ものアプリケーションがOutSystem上で開発されているという。

ビジュアル開発が可能なOutSystems

 「ローコード開発プラットフォーム」を謳うOutSystemsは、ソフトウェアの開発から運用まで全ライフサイクルをカバーする。テンプレートによるUI/UXデザイン、事前ビルドされたアーキテクチャなどを用いて設計を進めることが可能。アクセス管理やユーザープロファイル、ログ、Webサービス統合、Excelへの出力などの機能はあらかじめコンポーネント化されており、システムを構成するプレゼンテーション、ビジネスロジック、プロセス、データなどの階層も一元管理できる。

 システムはクラウド、オンプレミスいずれでもホストでき、テストや修正、コード変更、ステージングや依存性の分析、バージョン管理などGUIから一元的に行なえるため、開発の生産性はおおむね2~4倍向上できるという。

ソフトウェアの開発から運用まで全ライフサイクルをカバー

 昨年リリースされた最新版のOutSystems 11では、マイクロサービス開発、アプリケーションの依存関係の管理、コンテナ対応、セキュリティのインテグレーションなどに対応。ベストプラクティスから作られた100以上のテンプレートも用意され、UI/UXを重視した画面モックアップからの開発も可能になったという。その他、デプロイの高速化、UIの改善を図り、既存のアプリケーションを分析することで、次の操作を予測する自動サジェストもプレビュー搭載。生産性の向上に寄与する機能強化が図られているという。

日本での200%を超える急成長の背景

 OutSystemsが生まれた背景は、納期・予算通りに進まないソフトウェア開発の課題がある。従来型のハンドコーディングはコストが高く、時間がかかり、変更が難しいといった課題があり、エンジニアのスキルにも依存してしまう。OutSystemsジャパン 代表取締役社長のアーノルド・コンセンコ氏は、「IT業界はもっともマニュアルな業界。ソフトウェア開発はハンドメイドだ」と指摘し、開発現場でも自動化が重要になるとアピールした。実際、98%の顧客はOutSystemsで生成されたコードに触れることはないという。

ソフトウェアはハンドメイド

 現在、OutSystemsは全世界では61ヶ国に展開しており、年間経常収支も66%増と高い成長を実現。日本法人は2年前に設立されており、すでに100社以上の顧客を獲得している。前年比で277%という非常に高い成長を遂げている。

 日本で高い成長率を実現する理由として、コンセンコ氏は「レガシーアプリケーションが多く、メンテナンスコストが高い」「開発者の人数が不足し、コストも高い」「デジタルトランスフォーメーションのために迅速な開発が必要になっている」「パッケージソフトからカスタム開発への回帰」という4つを挙げた。採用される業種も製造業から、自動車、IT、通信、流通、交通、金融、化学などに拡がっているという。日本語サイトも正式に開設し、パートナーとともにユーザーをサポートする体制を拡充していくという。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります