富士通コネクテッドテクノロジーズさんから発売されている「arrows Tab F-02K」(以下arrows Tab)の使い心地をレビューさせて頂くことになりました「うぃろーず漫画製作所」のROBINと椎原かっぱ夫婦です。
我々漫画家なので、まずは漫画やイラストの描き心地を体験してみたいと思います!
ROBIN
元ゲーム開発のお仕事をしていて、今は漫画家。その昔、オンラインゲームを題材にした漫画を描いてネットで公開してました。近年の代表作は、スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」をモチーフにした漫画「パズドラ冒険4コマ パズドラま!」。その他には、児童向け学習書籍の漫画を描いたりなど。
椎原かっぱ
過去には、各種ゲームアンソロジー漫画を執筆。現在はROBINと「パズドラま!」やその他漫画のお仕事を二人三脚で執筆中。
わんこと戯れながらarrows Tabで漫画を描いてみた
というわけで、arrows Tabを使って漫画を描いてみますよ。せっかく軽くて持ち運びやすいタブレットなのだから、「あちこち持ち歩いた先で使えちゃうヨ!」ってアピールするのはどうかな!? って思ったんですが、「そもそもウチら、家にこもってひたすら漫画描いてるよね……」と気づきました。
そもそも我々、タブレット様を持ってオシャレなカフェにおもむき、なんていうんでしょうアレ、「ノマドワーカー」?みたいな働き方をする人種でもありませんしね……。
「じゃあ、かっぱさんの実家に行って、2匹いるわんこ達と戯れながら、写真撮ったり漫画描いたりしよう!」ということになりました。
いざ、わんこ達と遊びに……じゃなかった、遊びつつarrows Tabを体感しに出発!
かっぱさんの実家に到着。早速キュンキュン言いながら出迎えてくれるわんこ達。相変わらず元気なようでなにより。
2頭ともミニチュア・シュナウザーで、左が「ざぼくん」。13歳でややおとなしめだけどまだまだ元気。右が「おとくん」。まだ1歳でヤンチャ盛りなのでいっぱい動くよ。
さて、じゃあ早速arrows Tabでの絵の描き心地を試してみようかな。
「メディバンペイント」というイラストも漫画も描けちゃう無料アプリをインストールして起動します。無料アプリですが、かなり本格的な漫画製作が手軽にできちゃいます。コマ割り、写植、トーン、そしてもちろんレイヤー機能もあるので、ネーム→下描き→ペン入れの工程も快適に進められます。必要な機能は一通りそろっている印象です。
そして、本体付属の「arrows スマートスタイラスペン」を使ってみます。普段、ワコム製の板タブ(ペンタブレットの俗称)を使っているので、ワコムのペンは使い慣れているので、違和感なくすぐ慣れることができました。適度な重みと金属の表面が高級感を感じますね。
スッと線を引いてみてまず感じたのは、反応がとても良いこと!
恥ずかしながら自分、液晶タブレット(以下液タブ)に初めて触ったのが6~7年前で、その頃はペン先の移動にわずかに遅れて線画引かれる感じだったのです。
じっくりと線を引く方には問題無さそうだけど、自分は結構素早くペンを走らせる方なので、当時は反応の良い板タブから離れられず(高価で買えなかったしね液タブ……)今に至っているのです。
また、板タブとPCのディスプレーの組み合わせと違って、紙に描くように、ペン先から線が伸びていくのを目で見ながら描けるのは、やっぱり描きやすい!
数年の時を経て、最新鋭技術を搭載したスタイラスペン、絵描きアプリ、そしてarrows Tabに触れて、「これなら全然問題なく、素早く線が引ける!」と感動してしまいました。
正直、このレビューのお仕事が終わってもarrows Tabとペンのセットを返したくないほどに!いや、ちゃんと返しますけども。
arrows Tabの画面の大きさも充分で、それでいて座って膝の上に置いて使ったりするときも邪魔にならない適度な大きさに感じました。漫画家は机にへばりついて漫画を描くのが当たり前のスタイルですから、腰痛などに悩まされる人も多いんですが、これなら気分転換にソファーで描いたり、布団に寝転がって描いたりすることだってできそうです(うっかりそのまま寝てしまわなければ、ですが)。
あと、PCのディスプレー+液タブでの漫画描きと比べて便利だなぁ、と感じたのが、ペン先を離してから指先2本でのピンチ操作で、拡大/縮小・回転などが手軽にできること。板タブでの作画でも画面を回転させたり、拡大/縮小したりはしますが、それを手元で直感的にできるのはいいですね。昔、紙の原稿用紙に漫画を描いていた時は、紙をぐるぐる回しながらペン入れしてたっけなぁ、と思いだしたりなど。
今回の試用で感じた一番の問題点は、犬が突進してくることくらいでしょうか。特にまだ1歳ヤンチャ盛りのおと君はま~じっとしてなくて、遊べ!アピールがすっごかったです。
かっぱさんの実家にはいつもの作業机がないので、ソファーに座って原稿を描いていたんですが、おと君がお気に入りのぬいぐるみを咥えて持ってきて、「ほらっ!これで遊べ!遊ぶんだよ!ボクと遊ばなきゃ一体何しに来たんだよお前ら!?」と言わんばかりにじゃれてきます。ぬいぐるみで人形劇をした後ポーンと遠くに投げて、取ってくる間にarrows Tabでいろいろ描こうとするも、「もう1回だー! もう1回やれオラァァン!」と素早く持ってくる。
さすがにこれではarrows Tabを触ってるヒマが無いので、「そうだ、しばらく立って描こう。かっぱさん、おと君の相手お願い!」と、立ち上がって描き始めたところ、「お前だよ! お前が遊ぶんだよ! これでもくらえ!」とばかりに突撃されて大ダメージを負いました(冒頭の漫画参照・実話)。
犬と遊ぶことを甘くみてました。arrows Tabが手軽に持ち運べるという点を有効活用した結果発生した悲劇と言えるでしょう。
いや、持ち運んでどこででも漫画が描けるのは本当に便利なんです。ただし、元気なわんこが近くにいないという条件ならという感じでしょうか。
ともかく、手軽に持ち運べるPC+液タブのようなものがここまで進歩していたんだなぁ、というのが一番の感想かな。液タブは今でも高価ですから、プロでもなかなか買うに至らないものですけど、arrows Tabならずっと安価で手に入りますし、漫画製作用のアプリも無料で使えるので、同人作家さんや漫画を描くのが趣味の学生さんなんかにはもってこいじゃないでしょうか。
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