電通 デジタル・クリエーティブ・センターとピラミッドフィルムクアドラは、聴覚障がいを持つ子どもに音楽教育するための振動デバイス「Palm Beat(パームビート)」を開発。特別授業を開催した。
Palm Beatは、先生が教えたいテンポやリズムを、複数の生徒に対して光と振動を通して同時に伝えることができる卵型と指揮棒型のデバイス。これまで聴覚障がい者向けの授業では、先生が生徒1人ひとりの肩を叩くなど触覚を通じてテンポやリズムの感覚を教えていたが、それだけでは習得が難しかったという。
電通 デジタル・クリエーティブ・センターとピラミッドフィルムクアドラは、筑波大学附属聴覚特別支援学校 小学部で音楽授業を担当している山本カヨ子教諭の協力のもと、こうした課題について考え、聴覚障がい者向けの音楽教育を支援するデバイスPalm Beatを開発した。
先生が指揮棒型のデバイスを振ると信号が発信され、生徒たちが持つ卵型デバイスが光りながら振動する仕組み。これにより、歌のテンポやリズムを手に伝わる感覚で生徒たちに一斉に伝達することができるという。
山本カヨ子教諭は、「手拍子で練習したときには正確にできている生徒は1人もいませんでしたが、Palm Beatを使ってすぐに予想を上回る学習効果が見られました。子どもたちもデバイスの可愛いデザインに親しみを持ちながらも遊んだりせず一生懸命練習してくれて、わかったときの笑顔を見せてくれたのが嬉しかったです。自分自身の中で“わかった”という自信を持つことができたのが、非常に大きな成果だと思います」とコメントしている。
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