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Cybozu Days社長対談で披露されたクラウドの本質と両社のビジョン

サイボウズとAWSJの社長が語るAWSとクラウド、楽しい開発

2019年02月13日 07時00分更新

 サイボウズは北米進出にあたり、そのインフラとしてAWSを選んだ。同じクラウドサービスを提供する立場から、クラウドの本質や両社のサービスビジョンについて、サイボウズ 代表取締役社長 青野 慶久氏と、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表取締役社長 長崎 忠雄氏がCybozu Days 2018 Tokyoで対談した。(以下、敬称略)

北米でのAWS採用について説明するサイボウズ 代表取締役社長 青野 慶久氏

クラウドはイノベーションのためのインフラである

青野:今日は初心者の方も多いので、まずAWSとはどういうものかご紹介いただけますか?

長崎:従来のITでは数十万から数千万円という初期投資が必要でした。そうして構築したシステムを、原価償却するまで使わないといけません。メンテナンスや保守も発生します。一方AWSのようなクラウドは、必要なときに必要なだけ、それも低価格でお使いいただけます。イニシャルコストがかからないうえに、ランニングコストも非常に安く済みます。もうひとつメリットがあります。これまでは購入したシステムを何年も使い続けなければいけませんでしたが、クラウドはつねに進化するテクノロジーなので、使っている間にどんどん使い勝手がよくなっていきます。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表取締役社長 長崎 忠雄氏

青野:今回の対談では「クラウドのシステム開発で楽しく自由に」というテーマを掲げさせていただいていますが、まさに私たちも社内でそれを実感しています。AWSさんのサービスはどんどん進化しますから、それを学んで使う楽しみがあり、新しいサービスによってさらに開発スピードがあがる。開発者が作りやすく、いいソフトウェアを早く出せるのがいいなと思って使わせていただいています。

長崎:そう言っていただけるのはありがたいですね。2006年にAWSがサービス開始したときに考えていたのは、開発者の力になれるサービスを作ることでした。企業のコアコンピタンスである本業がありますので、本業ではないインフラのお守りはAWSにまかせていただこうと。そうすることで、よりビジネスを加速する、IT部門をコストセンターではなくてプロフィットセンターに変えるお手伝いをしています。なので、開発者のみなさんが笑顔で、楽しんでわくわくしながらAWSを使ってくださるのが、提供者としてもうれしいですね。

青野:いいものを早く作れて、作る人も楽しい。ユーザーさんもすぐに価値を手にできて嬉しい。すばらしい循環が生まれていると思います。コストに注目されがちですが、実はこのクラウドの本質ってこの辺りにあるのかもしれませんね。特にスピード開発が重視されるベンチャー企業もクラウドをどんどん使ってサービスを立ち上げると思いますが、AWSを使って成功したお客さんも出てきていますよね。

長崎:UberさんやPinterestさん、Airbnbさんなどが有名ですね。飛躍的なスピードで世界に展開する中で、AWSがインフラを担ってきました。彼らの場合はビジネスリスクも高いので、伸びるかもしれないけど、縮めなければいけないときもあるので大きな初期投資はしにくいという事情があります。AWSの場合は使った分だけの支払いですので、ビジネスの成長に合わせてコストが増加しますが、うまくいかなければすぐに閉じることができます。これは自社に設備を抱えないクラウドならではのメリットですね。

青野:なるほど。ミニマムのリスクで思い切ってチャレンジできるんですね。そういう意味ではイノベーションのインフラという見方もできますね。

クラウドコンピューティングとAWSの特徴

長崎:まさにそうです。われわれはAWSを、イノベーションを加速するプラットフォームだとお客様に紹介しています。そもそもAWSそのものが生まれた背景には、Amazonのイノベーションの歴史があります。Amazonは次々に新しいサービスにチャレンジしてきました。そうして生き残ったのがKindleやPrimeサービス、そしてAWSなのです。こういった挑戦をするためには、クラウドのようなプラットフォームがなければリスクを取れません。Amazonのチャレンジを実現するITの仕組みがAWSだと思っています。

青野:AmazonさんはEC分野でのチャレンジと、それを支えるAWSとが両輪となってまわってきたんですね。

長崎: そうです。実は、AmazonはAWSにとっての大切なお客さんでもあります。大規模で要求レベルも高く、ものすごく厳しいお客さんです。

青野:世界一要求の厳しいAmazonというお客様があってこそ、いまのAWSがあるとも言えるのですね。

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