「最新コアiにMX150内蔵14型」というモバイルノートの新時代がきたーー
ZenBook 14 実機レビュー = 小さいのにGeForce内蔵のおてんば娘だっ!!
ASUSは昨年末に新モデルを4機種発表した.モバイルとして注目したいのが「ZenBook 14(UX433FN)」である.14インチ液晶をギリギリ狭額縁で搭載し、最新コアiにGeForceを積んでいるうえに、「Pro14」に似た工夫もある魅力的なマシンなのだ.
14インチの時代が来るのか
完全狭額縁で「リフト」がトレンド!?
ZenBook14の本体サイズは319×199×15.9ミリである.14インチのノートPCといえば、伝統のThinkPad X1 Carbonとなるが、サイズは323.5×217.1×15.95ミリだ.横幅はZenBook14のほうが4.5ミリ、奥行きはなんと18.1ミリも小さいことになる.
実際に液晶を開いて起動すると、その狭額縁な見た目がカッコイイのだ.液晶の上部にはきちんとカメラが設置されていて、なんとWindowsHelloの顔認証にも使うことができる.いまや「Hello用のカメラを搭載しているので液晶上部はちょと幅があるんですよね」という言い訳はできない時代なのだ.
新しいところではVAIOがSX14という14型ノートを発売したが、こちらのサイズは320.4×222.7×17.9ミリで、やはりZenBook14のほうが幅は1.4ミリだけ、奥行きはなんと23.7ミリも小さい.SX14はアンテナの性能を満たすために液晶上部を使っているためそこが厚めになっているのだ.
底面積を計算すると、ZenBook14のほうがX1より11%、SXより12%、底面積が狭いということである.持ち歩きに、ハンバーガー屋さんでの利用にも便利なのはいうまでもない.
もうひとつの流行が浮き上がるキーボード(リフト)で、SX14もそうだが、ZenBook14も液晶を開けると本体の後部が持ち上がるしくみだ.ASUSは「エルゴリフトヒンジ」と呼んでいて、キーボードが3度傾斜して打ちやすくなる.
独自の機能として面白いのが、ZenBook Pro 14のタッチパッドに似た「ナンバーパッド」で、キーボードの手前のパッド部分の右上にあるアイコンをタッチするとテンキーが浮かび上がって、数字を打ちこめるようになる.
じゃあそのときはどうやってマウスカーソルを動かすのかというと、両立しているのだ.テンキーが出たままでもパッド上で指を動かすとマウスカーソルが動くし、文字カーソルが出ていれば、パッドの数字を押すと数字が入力される.これはいいアイデアで、うまく機能をインストールしているのだ.
最新のウィスキーレイクUに
GeForceも積んでるんです
さて、中身のほうだが、CPUは最新のi5-8265UつまりZenBook Pro 14と同様の最新ウィスキーレイクU世代のコアiを搭載している.なので、1世代前のケビーレイクRより速いことが期待できるのだ.それに加えて、大いにおじさんたちが期待しているのが、14型モバイルノートなのにNVIDIAのGeForce MX150を採用していることである.VRAMは2GB搭載で、GTXまではいかないが、もちろんインテルの内蔵グラフィックスの2倍は速いことが期待できる.
このサイズと厚みでGeForceが搭載できるということは、今後、プレミアムなモバイルノートにはどんどん載ってくる可能性が高いのである.
メインメモリは8GBでSSDはPCIe3x2の256GBを搭載.インターフェイスはタイプC×1とタイプA×2、HDMIとマイクロSDカードスロット、ヘッドホンコンボジャックとシンプルながら、必要なものはそろっている.タイプCは本体への給電はサポートしていないので、ACアダプターは専用の端子に挿すカタチだ.
キーボードの全体幅は280ミリとタップリで、日本語配列ながら「ひらがな」の表示は小さめでスッキリとしている.日本語で増えているキーも幅寄せされずに、きちんと配置されている.もちろんイルミネーション内蔵で暗闇でも使いやすい.
キーのストロークもきちんとあり、ちょっと重めの設定でうち応えもあってキモチがいい.音も静かで持ち歩くノートとして安心である.
CPU速度は予想どおり
GeForceMXで2倍速
ベンチマークテストの結果だが、まずi5-8265Uの速度をみるためシネベンチをおこなった.CPUの速度は665と、i5-8250Uの600前後という値からは約10%速い結果となった.ZenBook Pro 14では、同じCPUで775まで出た.ProはGTXを搭載しているのでファンが2基搭載されていた.つまり冷却能力の差が、CPUの速度に出たかたちである.とはいえ、前世代のコアiの10%増の速度は確実に出ている.
OpenGLの値は88で、当然,内蔵グラフィックスのみの50前後から比べると、8割近い高速化が実現している.GeForce MX150の威力である.おなじみ3Dマークのファイヤーストライクでも2635という値が出た.Uプロセッサーの内蔵グラフィックスのみでは通常1100前後なので、MX150のおかげで2倍以上の速度が出ているわけである.やはり「積んでおきたいMX」なのである.
SSDは試用機には、ZenBook Pro 14と全く同じWDCのドライブを搭載しており、ベンチマークテストの結果も同様で、クリスタルディスクマークのマルチシーケンシャルでリード1743、ライト1300と、読み込みは標準的だが、書き込みが通常より速いという結果が出た.
ZenBook14はバッテリーを50Wh搭載している.バッテリーベンチで液晶の輝度100%で、最も高いパフォーマンスにして稼働させたところ、3時間21分動作した.GPUは動いていないにしても、この条件で3時間超えは優秀な省エネぶりである.
ACアダプターは19V3.42Aで65W出力ながら198グラムと軽量タイプのもの.充電時間は上記と同じ最高輝度と最高速度の設定で動作させながらで、50%まで充電するのに32分、70%まで48分、90%まで74分と、こちらもなかなか高速の部類.ゼロから50%までが30分で充電されるというのはとても安心なのである.
モバイルノートは
14インチ液晶とGeForceが
アタリマエの時代なのか!?
14型ノートの中では、小さくて速いZenBook14なのだが、重量はカタログ値で1.25キロで、試用機の実測は1.23キロだった.14インチ仲間のThinkPad X1 Carbonは1.13キロ、VAIOのSX14は1キロだがバッテリーは35Whしか積んでいない.アルミボディではなかなか1キロを切れないのだ.逆にライバルにはない最大の武器GeForce様がプラス100グラムで搭載されていることになる.
とにかく軽くを目指すならば13型でNECのLAVIE ZEROや富士通のLIFEBOOK UH-Xが世界最軽量で700グラムを切っているので、それに向かえばいい.だがUH-Xのサイズは309×212ミリなので、横幅はZenBook14が10ミリ長いが、奥行きは13ミリも短い.掛け算すると底面積はZenBook14のほうが3%ほど狭いのだった.3面狭額縁の威力である.
14インチの液晶は横幅が309ミリある.13.3インチは293ミリでその差は17ミリ.大きいような小さいような、5%の差ではあるが、面積とすると10%以上広いことになる.もちろんいつもの13型ノートより「広い画面」であることは感じるものだ.
昨年HuaweiのMateBook X Proは13.9インチで薄型なのにやはりMX150を搭載して、業界を驚かせた.新14インチノートPCの時代が来たのは明らかでござる.そして14型を買うのならば、GeForce MX150まで行ってしまうのが潔いとおじさんは思うんですよね.
たまに出先でA列車やSimCityやるだけでも速度がゼンゼン違いますから、「やっぱり欲しいぞMX」ということで、みんな買ってみて使ってみるのがいいですよ~~ん
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります