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ソフトバンク、通信障害の概要説明 LTE交換機のマルチベンダー化に投資

2018年12月20日 16時30分更新

 ソフトバンクは、19日の東証1部上場に関する記者会見の場で、6日に発生した大規模通信障害についての謝罪とその概要、そして今後の対策について、同社代表取締役副社長執行役員兼CTOである宮川潤一氏から説明が行なわれた。

今回説明したソフトバンクCTOの宮川氏

エリクソンのシングルベンダーだったLTE交換機18台が
証明書の期限切れで全部ダウン

 「重く重く受け止めている」する今回の通信障害は、東日本/西日本の2拠点に分けて設置されている18台のMME(Mobility Management Entity、ソフトバンクは簡略して「LTE交換機」と紹介)がすべて一斉にダウンしたため生じた。

震災などに備えて、東西に分けて設置していたLTE交換機が一斉にダウンし、アラームを発信

3G側は実は動作していたが、アクセスが殺到したことで輻輳により通信しにくい状態に。実際、当日は3Gでアンテナは表示されるものの通信はできないという声が多かった

 このダウンの原因については、すでに一部メディアでも報道されているとおりに、機器内に内蔵された暗号化通信に必要なTLS証明書の期限切れ。世界11ヵ国のキャリアで同時に障害が起きたが、すべて同じ事象という。

同様の障害は同じ交換機を用いるキャリアで同時に発生した

証明書の有効期限が切れることで重要な通信が不可能になり、LTE交換機が再起動を繰り返す結果に

有効期限を確認できるソフトウェアなどは無かったという

 ここで大きな問題となるのは13時39分の障害発生から、完全復旧まで4時間25分もかかった点にあるだろう。一般的な証明書の運用形態と異なり、LTE交換機内の証明書はソフトウェアとして埋め込まれており、ソフトバンク側のオペレーターから、その有効期限を確認できる機能はソフトウェアに用意されていなかった。その結果、原因特定まで2時間15分かかった。原因特定後は過去に利用していたバージョンのソフトウェアを適用することで復旧させたが、1台ずつインストールする必要があり、そこにも時間を要したという。

障害発生から公式の告知は40分後、原因特定まで2時間以上と午後のビジネスタイムに復旧まで時間を要したことが問題を大きくした

バージョンを10ヵ月前まで利用していたものに戻すことで復旧した

 また、そもそもの問題として、LTE交換機がシングルベンダー(エリクソン製)だった点も大きな要素と言える。

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