RAIDであっても油断は禁物!
一度発生すると厄介なのがRAIDのトラブル。シングルドライブ構成と違って、簡単にはデータを復旧できないことが多いため、データ復旧サービスのお世話になるケースが非常に多いのだ。そんなデータ復旧サービスの中でも、特にRAIDでのトラブルに強いのが「デジタルデータリカバリー」。実に月間復旧率最高値95.2%という復旧率の秘密はどんなところにあるのか、その実態を探ってみた。
近年はクラウドベースの大容量ストレージサービスも増えているが、速度や信頼性、機密保持の観点などから、社内にNASやRAIDを組んだストレージを置いて管理する会社はまだまだ多い。しかし、そうした社内データを管理するRAIDストレージが不慮の事故に見舞われたら、という不安もあるのではないだろうか?
ところが実際には、ドライブの一台にトラブルが発生してもなかなかそのことに気付けず、徐々にエラーが増え、再構築に失敗してからデータを失ったことに気付く、といった悲劇が後を絶たない。
月間復旧率最高値95.2%を誇る修復のプロ集団
そんなRAIDのトラブルに頼りになる存在が「データ復旧サービス」だ。故障したドライブから、複雑に分散して書き込まれているデータを読み取り、新しいドライブにコピーしてクローンを作成し、そのクローンを元に健全なRAIDを再構築してくれる。
データ復旧サービスはトラブルが発生しなければ使う機会がない上に、サービスも高額なこともあり、実際に利用した人が少ない。どこが何を得意としているか、どれくらい時間がかかるかといった情報がなかなか分かりづらいのだ。
RAIDのトラブルといっても原因は一つではない。単なる論理的なエラーからRAIDコントローラーのトラブル、ドライブの損傷、故障といった物理的な原因まで、どんな障害が起きているのか、原因を切り分ける必要がある。中には手に負えない原因があり、長時間かけて見積もりを取っても結局直らなかった、ということもあり得る。
そんな中、高い復旧率と、他にない技術力をアピールしているのが「デジタルデータリカバリー」だ。
デジタルデータリカバリーは、個人利用のPCのHDDから、企業のサーバーやPC、フラッシュメモリなどの消失や破損に対しデータの抽出や復旧を請け負うサービス。そのデータ復旧率は月間最高値95.2%。もちろん、企業で使われるサーバーやRAIDが組まれたストレージの復旧経験も豊富だ。
その高いデータ復旧率の秘密は一体どんなところにあるのか、デジタルデータリカバリーを運営するデジタルデータソリューション DDR事業部 エンジニアグループの井瀧義也氏にお話を伺った。
連休明けのシステム稼働時は特に注意!!
──どういった依頼が多いのでしょう?
やはり「データが読み込めなくなったので救出してくれ」という事例が多いです。意外に多いのが、連休明けに出社したら読み取れなくなっていた、というものです。
また2018年は自然災害が多かったこともあり、水没したドライブからの救出も多く手掛けました。これはディスクの物理的障害に分類できます。
──企業のRAIDデータ復旧の事例をいくつかご紹介ください。
具体的な社名等は出せないのですが、世界的な企業から中小企業、教育機関まで、非常に多くのお客様からご利用いただいています。
事例は多岐に渡りますが、案外多いのがメーカーの保守が切れているのに古い機器を使い続け、いざ故障が起きたときにサポートを受けられないというケース。1980年代から使い続けてきた機器だった、ということもありました。ディスクの故障でメーカーの修理に出したらドライブ交換でデータが消えた、とおっしゃるお客様もあります。また、メーカーに相談したら、修理はできるがデータは全部消えると言われ、ご相談に来られるといったケースもあります。
長年バックアップも取っていたが、肝心のバックアップがきちんと取れていなかったというケースもあります。運用自体はしっかりできていたのですが、バックアップの検証をしていなかったために大事なところでトラブルになってしまいました。
またこちらも具体的な名前は出せませんが、政府・省庁からの依頼もあります。物理的に破損した機器からのデータ救出など、難易度が高い事案の際にご依頼いただくケースがあります。
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