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安い8コア/16スレッドCPUはCGレンダリングで光る?

Ryzen 7 2700XのCG分野における費用対効果を考察する

2018年12月06日 11時00分更新

費用対効果をプラットフォーム全体で考える

 また、CPUの単純な価格だけで費用対効果を比較するのはあまり実用的ではない。新PCを組むにあたって必要となるほかのハードウェアを調達する際の費用(OSは除外する)から、プラットフォームとしての費用対効果を考えるべきだろう。

 そこで今回費用対効果検証の根拠となる費用を見積もっておこう。まずCPUとCPUに密接に絡むコアパーツ価格を以下の表のように見積もった。マザーボードはほぼ各プラットフォームにおける同格の人気モデルを選んだものとし、メモリーは8GB×4構成、各プラットフォームにおける定格最大クロックのモジュールを選択したものとする。

各CPUを使ったPCを組むと想定した場合、CPU&コアパーツのコスト。Ryzen 7 2700XとCore i5-9600Kの導入価格がほぼ同じである、という点に注目したいところ。

 RyzenはメモリーがDDR4-2933なので微妙に高くつくが、マザーボードがインテル系よりやや安い。また、CPUクーラーが付属しているため、トータル価格はライバルより安く済む。インテル勢のCPUクーラーはWraith Prism相当の性能ということでざっくり5000円と見積もった。

 また、Ryzen Threadripperはマザーボードも高価、CPUクーラー(280mmラジエーターの簡易水冷クーラーを想定)も割高という点から、Ryzen 7 2700Xの2倍近いコストがかかることがわかる。

 今回はPCを1台調達するという想定なので、その他のパーツ予算も見積もっておきたい。下の表は“どのCPUを選んでも共通化できるもの”だ。GeForce GTX 1070クラスのグラフィックスボードに800W前後の電源ユニット、SSDは1TB程度のSATA SSD、PCケースはごくシンプルなもの、と想定して合計8万円程度と見積もった。

どのCPUを構成に入れても使える電源ユニットなどの共通パーツ部分。今回選んだインテル製CPUはGPUを内蔵しているので本来グラフィックスボードは不要だが、ソフトによってはCUDAやOpenCLなどの演算支援が使えるということで計上している。

 コア部分と共通部分の価格を合算したものが、今回の費用対効果を算出するパラメーターとなる。費用はそのまま計算に使うとケタが多く扱いづらいので、費用は千円単位とし、本稿では“コスト”と呼ぶことにする。

各CPUの導入に伴う合計金額はコアパーツ部分と共通部分の合計となる。この後の費用対効果計算には合計金額を千分の1にした指標“コスト”を使用する。

 同程度のスペックを備えたPCパーツの合計コストで考えると、Ryzen 7 2700Xは他のCPUよりかなり有利だ。唯一Ryzen 7 2700Xにコストで勝るのがCPU価格の安いCore i5-9600Kより微妙に高いがあちらは6コア/6スレッド。それに対し、Ryzen 7 2700Xは8コア/16スレッドとなる。コストが安くても果たして速度はどうか、という点も本稿での検討ポイントになる。

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