全コア4.4GHz OC時で7980XEより13℃低い
そして、CPUパッケージ温度で確認すると、Core i9-9980XEの温度マージンがわかりやすい。
電圧設定が「Auto」の定格時以外、各クロックにおいてCore i9-7980XEを下回り、全コア4.4GHz OC時ではコア電圧の差で一気に13℃も差をつけている。CINEBENCH R15やV-Ray Benchmarkが連続で複数回実行できるラインで探ってみると、今回試したCore i9-9980XEの個体では全コア4.5GHz OCまでいけることがわかった。
しかし、全コア4.6GHz OCになるとさすがに、1.2V程度まで要求電圧が上がるため、CPUパッケージ温度は102℃を超えた。CINEBENCH R15はかろうじて回るものの、V-Ray Benchmarkは1回目からフリーズ&BSOD。全コア同クロック設定で常用を考えるのであれば、4.4GHz OC程度でとどめておくのが無難だろう。
消費電力の傾向もCPUパッケージ温度と似ている。コア電圧が低い全コア4.4GHz OC時でCore i9-9980XEはCore i9-7980XEより54Wも低い。しかし、4.5GHz OC以上になると、要求電圧が高くなりすぎてぐっと消費電力も高くなるので、ワットパフォーマンスも悪くなる。やはり常用を考えるなら4.4GHz OCあたりがちょうどよいだろう。
まとめ:現行モデルから順当に性能アップ、問題は価格
さて、簡単にだがCore i9-9980XEのファーストレビューをご覧いただいた。Core i9-7980XEユーザーとしては、殻割せずにより高みのOCに挑戦できるのはすごくありがたいし、定格クロック時でも順当に性能が上がっている点も評価したい。
しかしながら、問題は価格だ。1000個ロットあたりの価格は1979ドルとCore i9-7980XEから据え置きになっているが、同CPUの日本初出価格は24万6000円前後。筆者が購入したときは23万9739円だった。現在も23~24万円ぐらいで販売しているお店が多い。発売日は未定だが、おそらく各店そこよりも少し「盛った」価格でCore i9-9980XEを販売するだろう。
コストパフォーマンス度外視のHEDT向け最上位モデルだけあって、いまさら価格でがたがたとは言いたくないが、競合のAMDは32コア/64スレッドCPU「Ryzen Threadripper 2990WX」を同価格帯にぶつけてきている現状を考えると、価格は盛らず現行製品を値下げするのが妙手じゃなかろうかと思うのだがいかがだろうか。
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