ソルダリングで若干OCマージンが上がっている?
さて、ここまでで定格クロック時の素性はある程度掴めたはず。ここからはOC耐性を見ていこう。一口に「耐性」と言っても個体差も大きく関わってくるので、OC設定はBIOSで全コア同クロック(Sync All Cores)、CPU倍率(CPU Core Ratio)とCPUコア電圧(CPU Core Voltage、Manual Mode固定)の値を変更する程度の簡易OCでテストすることにした。なお、最低限の安定性を確保するために、CPU Load-line CalibrationはLevel 8、CPU SVID SupportはDisabledにしている。
いずれも順当に性能が上がっているが、そもそも1コアあたりの性能がほぼ同じなので各動作クロックでスコアーが似通っている。また、CINEBENCH R15の値は揺れが大きいため、5~6回試行したピーク値を掲載。V-Ray BenchmarkもOCするにしたがって1秒程度の誤差が出てくるため、4.4GHz OCと4.5GHz OCでは同着になっている点に留意していただきたい。
しかし、ここでポイントなのはCore i9-7980XEではOCできても全コア4.4GHzまでで、Core i9-9980XEでは全コア4.5GHzまで伸びている点だ。これはCore i9-9980XEは温度的な余裕があり、Core i9-7980XEよりも0.1GHzだけだが高く設定することができたためだ。
また、コア電圧設定もCore i9-7980XEより低くできた。同じ全コア4.4Hz OC設定でも、Core i9-7980XEでは1.15V未満だとCINEBENCH R15などが回らずフリーズしてしまうが、Core i9-9980XEでは1.12Vとより低い電圧で安定動作できた。たまたま優良な個体を掴んだ可能性もあるが、少なくとも筆者の手元にあるCore i9-7980XEよりはOC耐性が高いと言えるだろう。
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