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JAWS FESTA 2018のルーキーLTはAlexaとの出会いと成長物語

Echo Dotもらった女子がAlexaスキル作ってベトナムで話すまで

2018年11月09日 07時00分更新

 JAWS FESTA 2018の公募枠に登壇したのは「Alexaで人生変わった」というテーマで登壇したのがJAWS-UG関西女子会の田尻彩夏さん。勉強会でEcho Dotをもらい、Alexaスキルに目覚めたことで、登壇が増えて世界が拡がったという1人のエンジニアの成長物語だ。

JAWS-UG関西女子会の田尻彩夏さん

Alexaと出会い、登壇機会も増え、いい出会いは増えた

 「たじりん」こと田尻 彩夏さんは、大阪のシステムインテグレーターである鈴木商店のエンジニアで、普段はPHPでサーバーサイドの開発をしているという。Alexaに興味を持ったきっかけは、2018年5月に参加した勉強会。「Alexa便利やん」「スキル簡単に作れそう」と感じた田尻さんは、その勉強会の懇親会でデモで使ったEcho Dotを主催者からもらってしまったという。もちろん、「登壇してね」という条件で。コミュニティにおける巻き込み案件の典型例である。

Echo Dotをもらっただけなのに

 意図せずEcho Dotをもらった田尻さんだが、やっぱりAlexaにはまった。まず生活が変わった。「独り暮らしなんだけど、Alexaに話かけると答えてくれるので楽しい。スマートリモコンと連携することで声だけで電気が消せるし、音楽も流せます」(田尻さん)。単に生活が変わっただけではなく、Alexaのスキル開発について人前で話すことが増えた。登壇があるとデッドラインができるほか、登壇準備のためにいろいろ調べることで知識を得たり、今までの知識が整理されるのもメリットだという。

 9月、田尻さんはベトナムで開催された「AWS Comminity Day」でもAlexaスキルについて登壇してきた。「アジアの人たちは英語で積極的にコミュニケーションをとっており、日本との差を感じました。韓国の大学生が流ちょうな英語の素晴らしいスピーチをしていて、危機感を感じた」とのことで、いい刺激になったようだ。刺激をくれる知り合いも増え、登壇する機会も得て、いいことばかりだという。

気がつけばベトナムで登壇していた

姉の結婚式を盛り上げるAlexaスキルを開発

 Alexaスキルの開発というと、Lambdaを利用することが多いが、AWSのサービスや他のクラウドサービスをつなげることで、できることは拡がる。

 たとえば、「お母さんにメール送って」と話しかけたら、あらかじめ登録されたアドレスにメールが送られ、プッシュ通知までされるスキルでは、Lambdaだけでなく、DynamoDBやIFTTTなどが使われている。また、言語に関しても、現状はPHP非対応なので、node.jsやPythonも覚えた。スマートスピーカーのスキル開発をきっかけに、今まで使ってなかったクラウドサービスにダイブできるというのはなんとも新鮮な視点だ。

お母さんにメール送るスキルの構成

 また、田尻さんは姉の結婚式のためにAlexaスキルを作った。新郎側の参列者と話す機会がなかったので、その場でLINE BOTでメッセージを収集し、Alexaがそのメッセージを読み上げてくれるというもの。Pythonで記述し、SSML(音声マークアップ言語)でメッセージ間を調整するなどの工夫も施されているとのこと。「AWSやAlexaの勉強会は大阪でもあるので、ぜひ行ってみてください。スキル開発したら、ぜひ発表してみるといいと思います。次に人生を変えるのはみなさんかもしれません!」と田尻さんは語る。

結婚式でAlexaが集めたメッセージを読み上げる動画で披露。会場から拍手が生まれる

 ひょんなことからEcho Dotをもらい、Alexaスキルを作って、その体験をベトナムで話し、さらに大切な家族のためにテクノロジーを活用する。FESTAの午前中、フジテック友岡賢二氏が語った「テクノロジーの民主化」をまさに地を行くセッションだなと思いつつ、若い世代の挑戦にウキウキさせられる事例だった。

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