2016年7月29日、「シン・ゴジラ」が公開された。東宝が12年ぶりに手掛ける日本制作のゴジラ最新作であり、監督・脚本を庵野 秀明氏が担当したこともあいまって、大ヒットとなった。
そんなシン・ゴジラの世界観に没入できるVRアクティビティ「ゴジラVR」が、11月3日から全国のVR ZONEで楽しめる。稼働店舗は、VR ZONE SHINJUKU (東京都) 、VR ZONE OSAKA(大阪府) 、namcoイオンモール各務原店(岐阜県)、namcoイオンモールKYOTO店(京都府)、namcoイオンモール大日店(大阪府)。
9月にオープンしたVR ZONE OSAKAではすでに楽しめるほか、正式稼働に先駆けてVR ZONE SHINJUKUでは10月26日からプレオープンしている。
尻尾が、身体が、超デカい!!
ゴジラが目の前にいる恐怖が半端ない
私はVR ZONE SHINJUKUでゴジラVRを体験。プレーヤーはコックピット型の筐体に座り、攻撃ヘリ部隊の一員として、街中で暴れまわるゴジラと戦うことになる。ヘリの操縦士は別にいるため、ヘリを操縦するわけではないので、戦闘に集中できる。1人でもプレー可能だが、最大4人での協力プレーも可能だ。
アクティビティは、ヘリが飛び立つところからスタート。すでに街中では人々が必死に逃げており、混乱状態であるというのがわかる。ヘリで移動中、突如目の前のビルが崩壊し、ゴジラの尻尾が飛び出てくる。思わず「うおっ!」と声をあげてしまった。
なお、ヘリでの移動はヘリらしく水平移動が多い。ゴジラVRを開発したバンダイナムコアミューズメントの小笹 千紘氏とタミヤ室長こと田宮 幸春マネージャーによると、なるべく酔わないように調整したとのことだ。
その後も、ゴジラが暴れまわる周辺を飛ぶヘリ。所々でゴジラが姿がみえるのだが、VRアクティビティで間近に現れるゴジラは本当に怖い、そしてデカい。ゴジラのサイズは最初、劇中の設定のサイズを忠実に再現したが、もっと巨大で絶望感がほしいという東宝の依頼のもと、サイズを大きくしたのだという。
ある程度絶望感を味わった後、ついにゴジラとの戦闘になる。プレーヤーは、筐体の左右にあるトリガーで攻撃が可能。射撃でゴジラを足止めしつつ、ゴジラの口に「血液凝固弾」を搭載した弾を撃ち込む機会を伺う。隊長の命令とともに、ゴジラの口に近づき血液凝固弾を撃ち込むときは、失敗は許されないという緊張と、巨大なゴジラに向かっていくという恐怖に襲われ、成功したときは本当にほっと胸をなでおろした。
ゴジラのモーションは、東宝のモーションチームが手掛けた
ゴジラVRを体験してまず感じたのが、ゴジラの動き。劇場版を観てからゴジラVRを体験すると感じられると思うが、アクティビティで目の前に現れるゴジラは、まさに劇中に登場するゴジラの動きなのだ。
それもそのはず。タミヤ室長によると、当初モーションも作ったが、東宝に確認してもらったところ、モーションは実際に東宝のモーションチームに作らせてほしいと打診があり、本物のチームが手掛けているのだという。ゴジラVRは、バンダイナムコアミューズメントだけでなく、東宝も本気で取り組んだアクティビティなのだ。
また、小笹は開発にあたって劇場版の世界をこのVRアクティビティでも忠実に再現したかったと語る。アクティビティの前半部分、ヘリで移動しながら崩れ落ちるビルの中を進んでいく間、一切攻撃ができない。これは、ゴジラへの絶望感を感じてもらうための演出だと思い、まんまとその恐怖を堪能したわけだが、この演出には別の意図もあった。
攻撃できるようになるときに、隊長から無線で「攻撃許可がおりた」と通達がある。劇場版を観た人はわかると思うが、内閣総理大臣の大河内清次を始めとした内閣首脳陣や、矢口蘭堂官房副長官率いる巨大不明生物特設災害対策本部が、武器の使用について議論しているシーンがある。本作の前半部分は、その議論中のため、まだ武器が使用できないのだ。映画の議論の裏側で、武器の使用の許可がでなくて攻撃させてもらえない攻撃ヘリ部隊にいると考えると、より映画の世界に入った気分になれる。
バンダイナムコアミューズメントがVR ZONEで培ってきたVRアクティビティの技術と発想に加え、東宝の全面協力のもと完成したゴジラVR。シン・ゴジラを観たという人は、あの世界に入ってゴジラの恐怖を味わえるので、ぜひプレーしてみてほしい。また、そうでない人も、VRアクティビティとして単純に完成度が高いので、VR ZONEなどに足を運んだときは、体験してみてはいかがだろうか。
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