松本人志「死んだら負け」発言 俺の友達のあいつは……
── ダウンタウンの松本人志さんの「死んだら負け」発言の動画は?
僕らの世代の芸人ほぼ全員だと思いますし、僕もベタなんですが、ダウンタウンさんに憧れて笑いを始めたってところがあって。松本人志さんと、放送作家の高須光聖さんが出られていた『放送室』(TOKYO FM)っていうラジオを、ずっと聞いていました。そこでも「死んだら負け」っていうことをおっしゃってたんですよ。当時その話を聞いたときは、賛同して「そうだよな」というふうに思ったんですけど。
── けど?
たびたび松本さんは「死んだら負け」発言をされてるんですけど、その後、僕の友人が自殺してしまったんです。「死んだら負け」っていう言葉って、「じゃあ、俺の友達のあいつは負けてもうたんか……」って思うと、ちょっと抵抗感があって。よくないことですけど、日本ではありがちじゃないですか? 自殺率高いし、知り合いが自殺したという方も少なくない。こういう抵抗を感じる人って多いだろうなって。だから、「死んだら負け」よりも、もうちょっと死んだ人を罰するニュアンスを含まずに、具体的な話できひんかな、っていうところで作ったっていう経緯があります。
── 松本さんを題材にするのに不安はなかったですか?
もちろん、超大御所の意見に対して言うわけですから、相当ドキドキもしたし、事務所の社長から「俺は守らんよ」って言われて「ひーっ」と思ったんですけど(笑)。別に悪口言ってるわけじゃないし、いいかなと。
── ちなみに、松本さんと面識はあるんですか?
もちろん、まったくないです(笑)。
── 動画のなかで、松本さんと榎森さんを「天とマントル」って表現してましたけど、あういう言葉ってどうやって思いつくんですか?
最初、普通に「天と地」って言おうと思ってたんですけど、「天と地」どころの騒ぎじゃないよなと思って(笑)。もうちょっと地中深くに俺は潜った存在っていうのを考えたときに、マントルかなと思ったってだけです。
── 常に権力に立ち向かってますよね?
そうおっしゃっていただくこともあるんですけど、その構図になってるものが広がってるだけで。そうじゃない動画もたくさんあげています。ただ、やっぱりこういうのが支持されてるんだな、っていう感じはあります。
── 弱い人間に寄り添う、っていう意識はありますか?
そこまでカッコいいものじゃないのかもしれないですけど(笑)。強すぎていろんなものが見えてない人に一言を言いたくなるみたいなとこが、ちょっとあるかもしれないですね。
インタビューは後編に続く。
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