上野優華、いい音で録っていい音で聴く!!
80万円の真空管マイク「U67」で特別録音、そしてサプライズも……!?
声を仕事にするふたりはどう感じた? U67の音を聴く
歌手で女優の上野優華さん、声優でライブや作曲もこなす小岩井ことりさん。声を仕事にしたふたりは収録を終えてどんな感想を持ったのでしょうか? 録音したばかりの音源を聞きながら、お話を聞いてみました。
―― それでは、先入観なく感想をいただくため、敢えてどちらのマイクかを明かさず、コメントをいただきましょう!
上野優華 好みで言えば、2回目に聴いたほうですね! 1回目はライブを聴いているような“ナマ感”があったのですが、2回目のほうはそのまま録音スタジオで聴いている音というか。例えば、声の立ち上がりや息のちょっとした量の違いなど、細かいところまで表現されていて、よりレコーディングらしい感じがしました。この「チョコレート」という曲は息遣いがとても大事な曲だと思っています。それを頭に入れながら、声をだんだん大きくしたり、弱く歌ったりといった表現をしていますが、そこがまさに自分が思ったように表現されていたのが印象的でした。
── さすが上野優華さん。種明かしをすると、1本目がライブなどでよく使われるシュアの「SM58」。業界標準的なマイクです。2本目がノイマンの真空管マイク「U67」。特徴はレンジの広さやコンデンサー型ならではの繊細な収録ができる点です。さらに、真空管方式と言うことで、ボーカルで言えば終盤、声を張った際にも音が耳に刺さらないギリギリのところに収めています。声の微妙なニュアンスをしっかりと伝えてくれるマイクですね。
上野優華 (復刻版の価格を聞いて)え~っ!! 80万円もするんですか。
―― 自宅でノイマンのマイクU87Aiを使われている小岩井さんはどう感じました?
小岩井ことり やっぱりロクナナ(U67)とゴッパー(SM58)では、雰囲気が違いますね! U67は解像度の高さを感じましたし、ハチナナ(U87Ai)とは、特性がよく似ていて、「U67から考えて作られているマイクなのだな」と改めて感じました。
── U67は真空管方式、U87Aiはトランジスター方式という違いがあります。
小岩井ことり 私がU87Aiを使う際、UADのUnisonシステムで真空管プリアンプを立ち上げて録ることがあります。その際、U87Aiでは音が柔らかくなる反面、解像度が落ちた感じになりやすい印象なんです。でもU67ではこの解像感の高さを維持しながら柔らかい音が録れているように感じます。ここがU87AiにはないU67の特徴だと思いました。
ソフトの処理ではない実機の音は、究極に良いものを求めているというか。真空管の雰囲気は出しつつも、最高に高い解像度を出してくれますし、上野さんの声にもピッタリだなって思いました。
── U87Aiはレコーディングスタジオでよく使われているコンデンサーマイクなので、きっと上野さんも見たことがあると思います。
上野優華 あ、しるしのMVで使っていたマイクですね。確かにデザインがそっくりです!!
── ノイマンのコンデンサー型マイクの振動板は円形の特徴的な形です。カバーに覆われていて見にくいですが、光に透かすとその形がうっすら見えると思います。
上野優華 ほのかにみえる金色の……確かに見えます!
── セリフについてはどうでしょう?
上野優華 最初に聴いたほうが、“天の声”感がありましたね。歌と違って、朗読を生で聞いた経験はないので、優劣はつけにくいのですが、世界観が感じられる音でした。
── ここはマイクの特性がよく出ている部分で、録っていて興味深かったです。SM58は業界標準的で、皆さんがライブなどで耳にする多くの音はSM58が多いですね。そして声がとても聞き取りやすく録音できる特徴があります。一方U67は声の細かなニュアンスを的確にとらえつつも、大きい声までもしっかりとれています。
小岩井ことり 波形にも出ていますね!
── DAWの波形を見るとSM58とU67では、U67の方が1.5倍程度、強弱の差があります。つまりは、些細な音から息遣いまでもしっかりと録れているということです。
上野優華 なるほど。収録するときにちょっと緊張していて、ベルトをぎゅっとつかんでしまっていたんですよ。その音がとても気になったのは、マイクが高性能だったからなのですね。よく聞くと、ベルトの音だけじゃなくて、足の音まで拾っていて恥ずかしい(笑)
── マイクの違いは感じられましたか?
上野優華 音楽ではなくて、言葉の違いを聞き比べるのは、初めての体験でした。同じ声でもここまで違うんだなと実感できました。
── 小岩井さんも、イベントやライブなどでいろいろなマイクを使う機会があると思います。やはりどの機種かは気になるものですか?
小岩井ことり はい。よくライブではマイクの型番をチェックして、写真を撮って、コレクションしています。
上野優華 すごい、コレクションしているんですね!
小岩井ことり 自分が今まで出たライブ・イベントではよくゼンハイザーの5000シリーズが用意されていることが多かったですね。(U87Aiをライブで使うことはまずないですが)オーディエンスの声を収録するために使ったりしているところはよく見かけます。
……と言うかたちで、お二人にはマイクによる音の違いを体験してもらいました! 今回の試聴では、マイクも製造しているメーカーのフラッグシップ・ヘッドホンを集めてみました。後編では、普段聴いている音楽も試していただきながら、お二人にその違いを体験していただこうと思っています。
(後編に続く)
ゲスト - 小岩井ことり
京都府出身、2月15日生まれ。ピアレスガーベラ所属の声優。2011年よりTVアニメやゲームなど幅広くこなす。
作詞、作曲、DTMもしていたことから、MIDI検定1級と、さらには講師資格も取得し声優として活躍する一方、作詞作曲家として楽曲提供なども行っている。
2018年4月「Sister」の作詞作曲で作家としてメジャーデビュー。 「Sister」が収録されたCD「M@STER SPARKLE 08」はオリコンアニメアルバムランキングで1位を飾る。代表作としては「のんのんびより」宮内れんげ、「おこしやす、ちとせちゃん」、「ぱすてるメモリーズ」六郷沙織ほか多数。
上野優華:プロフィール
徳島県出身の歌手・女優。
2012年、キングレコード×講談社主催のボーカルオーディションにおいて、1万人を超える応募者の中を勝ち抜き、当時14歳でグランプリを獲得。翌2013年、映画「トイレの花子さん 新劇場版」の主演・主題歌でデビュー。
歌詞の世界観を繊細かつ力強く歌い上げ、その表現力とパフォーマンス力が高く評価されている。また、2017年よりベトナムを中心としたアジア圏でも精力的に活動中。
デビュー5周年イヤー、ツアー5連続企画第4弾!
「上野優華 LIVE TOUR 2018 AUTUMN ~全国すだちっコ収穫大作戦!~」
10/28(日) 千葉ANGA
11/3(土祝) 横浜BAYSIS
11/10(土) 福岡ROOMS
11/11(日) 岡山Live stage Ark
11/23(金祝) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
チケット:全公演 自由¥3,500(税込)ドリンク代別
※4歳以上チケット必要
時間:
昼公演 OPEN 14:30 / START 15:00
夜公演 OPEN 18:30 / START 19:00
ゲスト(夜公演のみ):Pf.岩永知佳
<チケット一般発売中>
■千葉/神奈川公演
ローソンチケット(Lコード:71082)
チケットぴあ(Pコード:125-344)
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■福岡公演
ローソンチケット(Lコード:81312)
チケットぴあ(Pコード:124-831)
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■岡山公演
ローソンチケット(Lコード:61960)
チケットぴあ(Pコード:125-748)
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■仙台公演
ローソンチケット(Lコード:22954)
チケットぴあ(Pコード:124-879)
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