「予測システムの開発」ROX
45日先まで需要を予測するAI「Hawk」を開発しているROX。CEOの中川達生氏は「AIが高度な需要予測を数分で計算し、予測計算で悩む人々を救い出す」と語るように、予測の難しさをサポートするサービスだ。
たとえば飲食店では、来客者数を予測してシフトやご飯量、食材の仕込みといった日々の経営課題をこなさなければならない。通常だと様々な要素があるため勘にたよって判断するケースがほとんどだと思うが、これをAIにやらせれば、その負担が大幅に減る。
過去のデータをアップロードしパターンを学習。ほかに必要なデータはHawkが集めて明日の予測をしてくれる。毎日、予測は変化していきどんどん学習していくため、使うほど精度が高くなっていく。
活用事例としては、某チェーン20店舗で1ヵ月間実際の来客者数と予測とを比較したところ、86%の精度で当たっていたという。また、このHawkによってコメの廃棄、料理提供時間、スタッフの配置も改善したそうだ。
これまではあらゆる予測の受託開発を行なってきたが、これからは、その経験をサブスクリプションモデルにしていきたく、そのために今回のプログラムで販路拡大やユーザー獲得20件以上、ユーザーからのヒアリングを目標にしている。用途は多岐にわたり、店舗だけでなくメーカーの在庫管理やホテルなどの宿泊にも応用が可能だとしている。
「訪日外国人旅行客×アクティブシニアで体験型コンテンツを提供」TRIPLUS
訪日外国人旅行客が年々増えているなか、より日常を体験したいという外国人が多くなってきている。そこで目をつけたのがアクティブシニアの活用だ。TRIPLUSの代表取締役の秋山智洋氏は「高齢化社会により、高齢者の社会への参加が減る一方、それを支えるサービスばかりが増えています。老人扱いするのではなく、シニア層のノウハウを生かしたサービスが必要なんです」と訴えた。
最近の訪日外国人の観光は、定番のスポットを巡る旅ではなく、体験型のコンテンツや地域の人との交流へ移り変わってきている。しかし外国人旅行客がそんな体験をすることはまだまだ難しいのが現状だ。
そこで、旅行先の文化や生活を体験したい外国人旅行客が、日本各地の50歳以上の人達によって提供される、ちょっとした日本文化の体験を検索可能にし、外国人旅行客側からも体験したい内容をリクエストしたりもできるサービスを立ち上げた。
外国人旅行客にアンケートをとったところ、そこで暮らすような体験型コンテンツを希望する人が多く、特別に作りこまれたものよりも、日本人の日常に触れたいというニーズが高まっている。ただのお味噌汁づくりに9500円払った人もいれば、将棋を打つことを夢見ていた人もいたという。
今回のプログラムの目標は、ホスト側の人を増やすこと。個人はもちろん、企業のセカンドキャリア推進のためのツールとしても導入してほしいとのことだ。
以上10社のピッチが終了し、続いて昨年度採択起業5社の報告が行なわれたあと、メンターとの顔合わせを兼ねた懇親会が始まった。これから5ヵ月にわたり設定した目標(KGI)に向けて、運営事業者のアクセラレーターと月2回の定例MTGを行ない、外部メンターとのメンタリングを実施していき、2月8日予定のデモデイ(成果発表会)でいい報告ができるように頑張っていくことになる。
また、今回紹介した10社の製品やサービスについて、気になった人もいるだろう。すでにサービスインしているプロダクトも多いので、使ってみたり問い合わせしてみたりするといいだろう。みなさんの支援が起業の成長を助けることになるかもしれない。
なお、アスキースタートアップでは、随時このKSAPについて取材、報告していく予定だ。
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