コミュニケーションはビジネスを成功させるうえで非常に重要な要素となっている。働き方改革の文脈で「モバイルワーク」や「リモートワーク」の導入を進めている企業が増えているが、離れた場所でも必要な情報を共有でき、迅速な判断ができる環境を整えることは極めて重要だ。
パソコン、特に携帯性を重視したモバイルノートはそのために必須のツールだが、ハードを用意するだけでなく、その上でどんなサービスやソフトを選択して、利用するかもまた重要だ。
この記事では、グループチャットツールの代表例である「Slack(スラック)」を取り上げつつ、モバイルノートの機動性を生かした働き方について考えてみたい。
SlackはIT企業で大人気のツールだ。すでに世界で多くの企業が使っているが、日本語版が登場する以前から感度が高く「新しいモノ」が大好きなベンチャー企業が国内でも活用してきた。昨年11月には、ようやく日本語版も登場。日本での注目度もアップしている。いまや、パナソニックやソフトバンク、三井不動産といった大企業も導入しており、インターネットを活用したコミュニケーションツールとしては定番と言える存在になっている。
現在は800万人以上のユーザーが日常的に利用し、7万以上のチームが有料サービスを利用しているという。
メールではスピーディーにいかないコミュニケーション
ビジネスでのコミュニケーションを目的としたツールの選択肢は、「Slack」に限らず、日本発の「チャットワーク」や「LINE WORKS」、マイクロソフトの「Microsoft Teams」などさまざまなものがある。
それぞれに特徴があるが、「Slack」の場合、チャットタイプのグループコミュニケーションを主体としつつ、さまざまなツールやサービスとの連携が可能だ。業務の効率化を図る上で便利なツールと言えるだろう。
スマホなどでの活用も可能だが、パソコン上で利用した場合の利点としては、画面が大きく、キーボードが使える点にある。単にチャットの文字が入力しやすいというだけでない。プロジェクトを進めていくうえで必要なドキュメントを効果的に共有したり、必要に応じて編集したりできるため、時間の短縮やデータの集約がしやすいという点がある。クラウドサービスを組み合わせることで、チャットを使ったリアルタイムに近いコミュニケーションを軸にしながら、そこで議論された課題や、具体的な成果としてできたデータをすぐに共有できるからだ。
これまでの企業では、業務上のやり取りをメールで済ませるケースが多かったのではないだろうか。
ビジネスマンであれば、メールアドレスはまず間違いなく持っているものなので、取引先など、外部とのやり取りに使う分には便利なツールかもしれない。しかし、社内やプロジェクトチーム内でのやりとりとなると、1日に何十通ものメッセージが飛び交うことになる。返信するたびに引用文が伸びていったり、あまりにも数が多くなって「あの件については、いつのメールで書かれていたのだっけ?」と探すのに手間取ることも多いだろう。
コミュニケーションや情報の共有をメールだけで進めようとすると、かえって面倒になってしまうはずだ。
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