iPhone XS Maxほか歴代製品の
CPU性能をチェック
「iPhone XS Max」「iPhone XS」の発売で多くのユーザーが気になるのは、どの程度の性能差があれば、今使っているiPhoneから買い替えるべきかという点でしょう。そこで、これから数回に分けて、従来モデルと比較のベンチマークテストで検証していきます。
今回はCPUのベンチマークをご紹介します。対象モデルは最新CPU「A12 Bionic」搭載のiPhone XS Maxから、同じ「A9」搭載の「iPhone 6s」シリーズと「iPhone SE」世代まで、さらに昨年まで長期間販売された旧モデル「iPhone 5s」をテストしました。
現在、iPhone 7シリーズやiPhone 6sシリーズ、iPhone SE、iPhone 6シリーズ、iPhone 5sを使っているユーザーは、前回の購入から2年経過しているということで、買い替えを検討している方も多いでしょう。
下記は近年のiPhoneのCPU周りのスペックですが、特にiPhone 6シリーズとiPhone 5sは、2018年現在、一般アプリを動かすには処理性能とメモリー容量の両面が十分ではなく、動作の遅さが目立ちます。高額なiPhone XSシリーズとは言わずとも、買い替えのタイミングではあります。
では、定番のベンチマークアプリ「Geekbench 4」でCPU性能を見ていきましょう。ベンチマークは3回テストして最高値のものを採用しています。
まずiPhone XS MaxのCPU性能ですが、前モデルのiPhone XやiPhone 8 PlusなどA11 Bionic搭載モデルと比較して、約1割程度の向上に留まっています。ただし、アップル自身も高性能な2コアについて「CPU性能は最大15%高速化」という記載に留めており、順当な結果となっています。
一方で、アップルは待ち受け時や低負荷な一般アプリ向けの省電力コアに関して「最大50%少ない消費電力」と記載しています。アップルとしては一般的なアプリの動作に影響するCPUについて、今回は最高性能の向上よりも、日常利用での省電力化を優先したと言えます。
機械学習やAR向けのニューラルエンジンがA11 Bionicと比べて「最大9倍高速」、高画質ゲームに必要なGPU性能もA11と比較して「最大50%高速」とするなど、CPU以外の性能向上については抜かりありません。
買い替えタイミングという視点で見てみると、iPhone 6sやiPhone SE、iPhone 6、iPhone 5sあたりは、現行のiPhone XSやXS Max、10月19日予約受付開始の「iPhone XR」、iPhone 8シリーズに買い替えると、2倍以上の高速化が期待できます。
また、バッテリー保ちという視点でも新しいiPhoneへの買い替えはオススメです。というのも、新しい世代のCPUを搭載したiPhoneのほうが、同じ処理をしてもより動作は省電力です。もし、従来のiPhoneを使っていてバッテリーの保ちが最近悪くなった、またはバッテリー交換したがバッテリー消費は激しいままだと思ったら、それは性能不足による買い替え時と考えたほうが良いでしょう。
買い替え候補ですが、とにかく最高性能を求めるならiPhone XS MaxやiPhone XSになります。ですが、ちょっと高すぎると感じるなら「iPhone XR」を待つのもアリでしょう。一方、高画質3Dグラフィックゲーム向けの最高画質にはこだわらないが、安くて一般アプリが高速なスマホが欲しいなら、価格が下がってきたiPhone 8シリーズがお買い得です。
Geekbench 4のスコア
最後に「AnTuTu Benchmark 7」のベンチマーク結果も記載しておきます。総合スコアはGPU性能のスコアに大きく影響されるので、一般アプリの利用時の快適さを知りたいなら、スコア内訳のうちCPU性能「CPU」と、一般アプリの動作に関する「UX」を比較するといいでしょう。両方ともGeekbench 4のCPUスコアと似た傾向となっています。
AnTuTu Benchmark 7のスコア
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