写真もそのとき何を見ていたかを思い出せる重要な記録
もう1つ重要な手がかりは写真です。自分が何を見ていたのか、何を見つけたのかを記録してくれる手がかりになります。
Apple Parkでのイベント取材では、イベント中、タッチ&トライでひたすら写真を撮り続けます。4時間で600枚ほどの枚数になり、1分で2枚以上を撮影している計算です。これだけ撮っていると、そのときに何を見たのか、何を考えたのか、写真からある程度思い出すことができます。
スマートフォンで撮影する写真には、そうした自分の見ていたモノに加えて、時間と位置情報が記録されます。GoogleフォトやAppleの写真アプリは、時間と位置情報で写真をひとまとめにする機能が充実しています。
しかも最近では被写体を分析して、共有すべき友人まで提案してくれるようになりました。たとえばGoogleフォトでAppleのイベントの写真を見てみると、Apple Parkでのイベント写真を、Tim Cook CEOやPhil Schillerシニアバイスプレジデントへの共有提案をしてきます。当然2人とも友達ではないのですが。
単なるウェブサービスから
自分が求める役割を自動で担ってくれるAIへ
IFTTTは、自分の情報をウェブサービスで管理するメリットを教えてくれます。サービス同士を連携させて、新しい価値を生み出したり、新しい情報に作り替えてくれる。これを背後でやっておいてくれるわけです。
その次の段階が、AIという理解をしています。IFTTT自体には機械学習やAIアシスタントのような機能はありません。ただ情報を受け流してくれるだけです。それだけでも価値がありました。しかし情報を出す側、受け取る側は、少しずつAIが導入されつつあります。
そうしたサービスが連携を深めていくことは、緩やかに自分の役に立つAIの構築や、だんだん自分の求める役割を担ってくれるアシスタントの育成につながっていくのではないでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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