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新宿と大阪で稼働開始、グルグル回る新マシンがアツい

「右、やっぱ左!」激流をワイワイ4人で下るVR ZONEの「ラピッドリバー」

2018年09月18日 13時50分更新

「冒険川下りVR ラピッドリバー」

 新宿・歌舞伎町のVR体験施設「VR ZONE SHINJUKU」は9月13日より、新アクティビティ「冒険川下りVR ラピッドリバー」を稼働開始した。最大4人でボートに乗り込み激流の川下り体験するVRアクティビティ、今回はこの「ラピッドリバー」の事前体験会の様子をレポート。

早速体験、筐体がぐるぐる回る!

 VR ZONE SHINJUKUに到着した筆者が案内されたのは2Fの一角。ラピッドリバー専用の筐体3台が並んでおり、筐体へは2人ずつ背中合わせで座ることを想定した作りになっている。

 筐体の真上にはVIVE Proが吊り下げられており、座席に座ってVIVE Proを装着。VIVEトラッカーが取りつけられたスティック型のコントローラーをオールに見立てて川下りを体験する。

 VRヘッドセットを装着すると、目の前には穏やかとは言い難い激流が。どうやら日本の川というよりは、もう少し熱帯の土地らしい。スタッフの方からの位置調整を行なってもらって、いざ出発!

 ラピッドリバーは最大4人での体験(最低2名、なるべく偶数推奨)。1人が1本のオールを持ち、それぞれ左右に2人ずつ乗り込んでゴムボートを漕ぐ。現実では2人ずつ背中合わせで座っているものの、VR内では全員が前を向いている状態でボートに乗り込んでいるというのが面白い。

 さて、4人で早速ボートを漕いでいく… が、これがなかなか難しい。体験している人同士はボイスチャットが接続されていて、「右漕ごう」「あ、ごめん左行きすぎた!左の人お願い!」となかなか慌ただしい感じに。うまくコースを取らないと岩にぶつかってしまうので、漕ぐ力や回数などはきちんと調整が必要。「右が漕ぐと左に曲がる」、「左が漕ぐと右に曲がる」のは分かっていても、「右!」とだけ言うと右に漕ぐのか右が漕ぐのか分からず、という意思疎通のままならなさもあり、筆者たちのグループは岩に何度かぶつかってしまった。

 途中ではルート分岐もあり、筆者たちは右側の激流下りルートへ。左側に進むとスクリーンショットのような遺跡・洞窟のようなルートに進むこともできるらしい(ちなみに左側に進む方が難しいとか)。道中では滝つぼに落下するようなシーンもあり、だいぶ焦りはしましたが、最初から最後まで慌ただしく、しかし楽しい体験。

 しかしこの体験中、筆者が気になったのは「ボートが左右に動く(回る)、時には滝つぼから落ちる」こと。これがなんとも自然に体験できている(普通は酔ったりしがち)。体験者はずっと座っているわけなのに、上下の動きや左右回転は一体どやって実現しているのだろう?

VR酔いしにくいシステムを実現、開発期間は半年

筐体を制御するユニット 

 「ラピッドリバー」に搭載されている上下や回転、その秘密は筐体に隠されている。この特別筐体、上下にエアコンプレッサーで「高さ調節」ができるだけではなく、座席のちょうど真ん中部分を中心にしてぐるぐる回転する。しかもこの回転はVR内のボートの動き(=プレイヤーのオールを漕ぐ力や回数)と同期しており、きちんとVR内で回転したぶんだけ現実でも回転する仕組みになっている。不自然な回転や上下の動きを感じることがなかったのは、この筐体のおかげというわけだ。

 スタッフの方によれば、これまでVR ZONEでアクティビティを開発する中で、「人は前進時の加減速や上下の動きには耐性があるが、横移動や回転などは酔いやすく難しい」ということが分かってきたとのこと。今回はこのVR酔いへの対策として、横方向への回転を筐体で実現しているという。

背中合わせに座る筐体のデザインも納得 

 ちなみに席が背中合わせになっている理由は「大人が4人も乗るとさすがに重いので、なるべく回転軸と筐体にかかる重さの中心を一致させたかった」とのこと。マシン側の問題をVRで解決しているわけだ。

 開発の中心となったバンダイナムコアミューズメント・齊田一統氏いわく「開発期間はソフト・ハード合わせて約半年」だとか。双方とも工夫に工夫を重ね、快適なVR体験を実現するための苦労のあとが見てとれた。その甲斐あってか、スピーディーかつスリリング、しかしみんなでワイワイと盛り上がれるVRアクティビティとして仕上がっているように感じられる

 冒険川下りVR ラピッドリバーは9月13日より稼働開始。同日に大阪・梅田で営業を開始した「VR ZONE OSAKA」にも設置されている。

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