au/ソフトバンクは、4年(48回)割賦の2年分の支払い分をアピールしている
ドコモとau/ソフトバンクでは本質的に異なる、端末の“実質価格”とは?
今年こそはと、新iPhoneの購入を考えている人も多いだろうが、キャリアのサイトで端末価格を見ていると、しばしば使われているのが“実質機種代金”“実質負担金”といった表現だ。特にauとソフトバンクにおいては、以前とは大きく意味合いが変化しているので、ショップで説明されて「???」とならないように、あらかじめ確認しておきたい。
従来は端末購入にともない、毎月の料金に割引が発生
ドコモは今もこの方式を採用している
まずは従来型の“実質価格”。これは端末を購入すると、最大24回、24ヵ月にわたって、毎月の料金から2000~3000円程度が割引される(ドコモ「月々サポート」、au「毎月割」、ソフトバンク「月月割」)。この割引分を、端末代金の総額から差し引いた額を指して実質価格と呼んでいる。
ドコモは、今も従来型を採用しており、iPhone XSの場合は以下のような価格となる。比較的なじみ深いものだろう。
auやソフトバンクは端末購入で料金に割引無し
そのぶん料金は安いが、端末はそのままの価格で購入する
一方のauとソフトバンクだが、auは昨年スタートの「auピタットプラン」「auフラットプラン」、ソフトバンクは今年の「ウルトラギガモンスター+」で分離型の料金プランに移行しており、ショップでもこれらのプランを勧められる可能性が高い。
分離型とは「端末購入と料金が分離されている」という意味。月々の料金は最初から割安になっている代わりに、新iPhoneを購入しても毎月の料金から割引はない。つまり、iPhone XS/XS Maxであれば、12~18万円の端末代金を、分割であれ、一括であれ、そのままの金額で支払うのが原則だ。
ただし割引がないぶん、24回払いでは毎月5000~8000円の支払いが生じて負担が大きく見える。そこでauやソフトバンクが導入しているのが「アップグレードプログラムEX」や「半額サポート」と呼ばれるプログラムとなる。
48回払いで月々の支払いを軽減
+旧iPhoneの回収で3年目以降の残債を免除する
これらのプログラムでは、まず端末の支払いは4年割賦/48回払いとするのが主流。つまりこの時点で、月々の負担は半分になる。でも、これでは4年間、同じiPhoneを使い続けなければならない。
そこで2年経過後以降に機種変更すると、それ以降の残債を免除してくれる特典を用意している。この特典利用時の端末への支払い額が半分になった状態をもとに、auやソフトバンクは端末の価格例をウェブサイト上でアピールしている。
ただし、特典の利用には条件がある。1つめは「それまで使っていたiPhoneの回収」。中古専門店やキャリアに相応の額で引き取ってもらえる旧iPhoneを下取りに出しているのに等しい。この時点で、従来型(それまで使っていたiPhoneが手元に残る)の“実質価格”とはまったく違うことがわかる。
また「同じキャリアで機種変更し、同等プログラムに再加入」することも条件となっている。48回払いゆえに、2年後の時点でも半分の残債が残っていることも含めて、拘束力がかなり強い。
基本的には同じキャリアを使い続ける人向けのもの
将来の移行を考える人は一括購入か従来型での購入も選択肢に
従来型の“実質価格”が少なくとも2年後には一旦チャラになって、他のキャリアへの移行も考えやすいのに対し、auやソフトバンクの新しい“実質価格”は2年後より先も同じキャリアを使い続けることが前提になっている。旧iPhoneが手元に残るか、残らないかの差もある(前述したように月々の料金にも違いがある)。
ちなみに、auは今でも「auピタット/フラットプラン」より前の料金プランを選択することで、従来型で端末を購入できる。ソフトバンクは、従来の料金プランはすでに新規契約が終了。従来の料金プランのまま機種変更する場合に「月月割」が適用されるのは、1月31日までとなっている。
将来のことはよくわからない、他のキャリアに乗り換える可能性もあるかもという人は、スッキリと一括購入か、従来型での購入を比較対象に加えるといいだろう。
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