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ASCIIスマホオーバービュー 第1回

格安SIMで人気を勝ち取るUQモバイルとワイモバイルのデータ容量増加が与える影響

2018年09月11日 18時00分更新

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 本日は、ASCII倶楽部で2018年9月3日に公開した「格安SIMで人気を勝ち取るUQモバイルとワイモバイルのデータ容量増加が与える影響」を紹介します。


欠点だった料金をデータ容量増加で補う

 「Y!mobile」(ワイモバイル)と「UQ mobile」(UQモバイル)は、9月1日から月間データ容量を増加する。どちらの格安SIMも従来の料金そのままで、毎月使える最大データ容量が1.5倍になる。これはプランそのものの変更である。また、新規契約者はもちろん、既存の利用者も対象だ。

 今回のポイントは「料金そのまま」という点。毎月使えるデータ容量が増えるので、コスパは自然と向上する。データ容量を増加するには「増量オプション」に加入する必要はあるが、契約から2年間は無料で使えることもあり、多くの利用者が加入している。そのため、データ容量の増加は、利用者にとってメリットしかない。

9月から実装されているUQ mobileとY!mobileのプラン表

 ワイモバイルはソフトバンク、UQモバイルは実質的にauのサブブランドという位置づけだ。今回のデータ容量増加は、サブブランドだからできた施策かもしれないが、ほかの格安SIM事業者が窮地に立たされそうだ。

先手を打ったのはY!mobile。ワイモバイルが先行してプラン変更を発表。ちなみに、従来の「データ増量無料キャンペーン」は名称が変更。この発表に追従するように、UQモバイルも同等の新プランを発表した

従来のUQとワイモバは月額料金で劣っていた

 キャリアから格安SIMに乗り換える人の大半は、「毎月のスマホ代を安くする」ことが目的だ。契約形態にもよるが、キャリア契約時に比べて半額以下に抑えることも可能である。しかし、UQモバイルとワイモバイルの格安SIMは、「ほかの格安SIMよりも月額料金が多少高い」という欠点があった。

楽天モバイル

mineo(dプラン)

OCNモバイルONE

nuroモバイル

 通信速度やサポート面など、ほかの格安SIM事業者から頭ひとつ抜けたサービスを提供しているため、料金がかさむのは致し方ないこと。だが、格安SIMを求める人の主目的に沿えないため、料金を理由に敬遠されることもあった。

 ところが、データ容量増加で状況は一転しそうだ。データ容量でのコスパが急上昇したことで、従来どおりの通信速度やサポートを考慮すると、サブブランド両社が圧倒的にオトクなのを感じる。データ容量が1.5倍になるプラン変更は、とてつもない影響力をもっている要素と言える。

 格安SIMの大半は、ネットで申し込み、SIMが届いたら自分で開通するというのが基本だ。それゆえ、格安SIMへの乗り換えを避けてしまう人もいる。

 ここで存在感を示すのがサブブランドの両社だ。家電量販店でだけでなく、独自店舗などを全国に構えているため、キャリアと同じように実店舗で契約でき、場合によっては修理保証なども受け付けている。格安SIM契約へのハードルが低いのもサブブランドならではの長所だ。

全国各地に店舗がある、独自店舗はもちろん、家電量販店にも出店している。実店舗のある格安SIM事業者はほかにもあるが、店舗数ではサブブランドに及ばない

独自店舗では端末修理も。格安SIMを利用中にスマホが故障した場合、端末保証がないケースも多い。その点、サブブランドであれば、いざというときのサポートもある

通信速度はUQとワイモバの2強

 格安SIMは料金を安くできる反面、通信速度がキャリア契約時に比べて劣ることが多い。これは、格安SIM事業者ごとにキャリアから通信帯域を借り、それを利用者に分配していることが関係する。借りている帯域量に対して、利用者が殺到すると回線が混みあって通信速度は低下する。こうした要因があるため、格安SIMの通信速度は遅いケースがほとんど。

 アスキーの会員サービス「ASCII倶楽部」では人気格安SIMを契約し、通信速度を計測している。計測時間は、回線が混雑しやすい12時台と18時台、緩和されやすい15時台の3つ。時間帯によって、速度は大幅に変わるためだ。また、計測したのは東京都・飯田橋駅付近、神楽坂駅付近、市ヶ谷駅付近の3箇所。それぞれの距離は1㎞程度しか離れていないが、わずかに移動するだけでも数値が変化することを確認できた。そこで本稿では、これまで計測した速度を公開する。

ASCII倶楽部 格安SIM通信速度測定レギュレーション

調査場所
東京都千代田区 飯田橋駅付近(計測期間:4月1日~4月30日での平日20日間)
東京都新宿区 神楽坂駅付近(計測期間:6月1日~6月20日での平日9日間)
東京都千代田区 市ヶ谷駅付近(計測期間:8月20日~8月23日での平日4日間)
調査時間:12時、15時、18時
調査方法
1、速度測定には「Google スピードテスト」を使う
(グーグル検索で「スピードテスト」と検索すると利用可能)
2、各調査時間でSIMごとにそれぞれ5回ずつ計測し、中央値を算出する
使用端末:ASUS「ZenFone Live」

ASCII倶楽部で測定している格安SIM

・IIJmio(ドコモ回線)
・エキサイトモバイル(ドコモ回線)※1
・OCNモバイルONE(ドコモ回線)
・DMM mobile(ドコモ回線)
・ニフモ(ドコモ回線)※1
・nuroモバイル(ドコモ回線)
・b-mobile(ドコモ回線)※2
・BIGLOBEモバイル(ドコモ回線)
・mineo(au回線)
・mineo(ドコモ回線)
・U-mobile(ドコモ回線)※1
・LINEモバイル(ソフトバンク回線)※1
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・楽天モバイル(ドコモ回線)
・UQ mobile(au回線)
・Y! mobile(ソフトバンク回線)
※1 東京都千代田区 市ヶ谷駅付近以降のみ計測
※2 東京都千代田区 飯田橋駅付近/東京都新宿区 神楽坂駅付近でのみ計測

※掲載している通信速度はASCII倶楽部が独自に計測した内容です。通信速度を計測する場所、機材、時間帯によって通信速度は変動するため、実際の通信速度を保証する内容ではございません。

東京都千代田区 飯田橋駅付近で計測した格安SIM通信速度

  12時(下り/上り) 15時(下り/上り) 18時(下り/上り)
IIJmio 0.47Mbps/6.58Mbps 13.8Mbps/8.16Mbps 0.81Mbps/6.45Mbps
OCNモバイルONE 0.36Mbps/13.4Mbps 27.8Mbps/12.6Mbps 0.93Mbps/11.9Mbps
DMMモバイル 0.46Mbps/6.19Mbps 13.6Mbps/7.96Mbps 0.73Mbps/5.40Mbps
nuroモバイル 0.40Mbps/10.3Mbps 27.4Mbps/12.5Mbps 1.41Mbps/9.57Mbps
b-mobile 1.36Mbps/11.7Mbps 3.58Mbps/12.5Mbps 1.57Mbps/11.9Mbps
BIGLOBEモバイル 0.34Mbps/9.43Mbps 9.25Mbps/11.5Mbps 0.83Mbps/8.82Mbps
mineo(au) 0.30Mbps/5.40Mbps 8.96Mbps/5.97Mbps 0.75Mbps/5.87Mbps
mineo(ドコモ) 0.34Mbps/9.19Mbps 23.6Mbps/12.0Mbps 0.77Mbps/8.62Mbps
LINEモバイル 0.30Mbps/14.2Mbps 8.03Mbps/13.0Mbps 0.53Mbps/13.3Mbps
楽天モバイル 0.55Mbps/14.1Mbps 7.24Mbps/13.6Mbps 1.20Mbps/13.9Mbps
UQ mobile 7.30Mbps/7.26Mbps 10.2Mbps/6.77Mbps 10.4Mbps/6.12Mbps
Y!mobile 12.9Mbps/8.63Mbps 12.8Mbps/10.8Mbps 15.0Mbps/11.9Mbps

 先にも説明したように、12時台と18時台はスマホを使う人が多いため、MVNOはかなり遅くなる。しかし、UQ mobileとY!mobileはそれぞれau、ソフトバンクのサブキャリアということもあるのか、終日同程度の通信速度を記録した。一方、15時台は回線の混雑が緩和される時間であるため、MVNOが急激に速くなった。多くのMVNOのポテンシャルを最大限に発揮できる時間帯とでも言うのが正解か。

東京都新宿区 神楽坂駅付近で計測した格安SIM通信速度


 続きは「格安SIMで人気を勝ち取るUQモバイルとワイモバイルのデータ容量増加が与える影響」でお楽しみください。

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