スリムでシルバーの15インチに6コアの超高速CPUとGTX1050を組み込んだ狼
EliteBook 1050 試用レポート = 6コア+GTX1050を搭載した真正クリエイターズノートだっ
HPは7月18日にビジネス向けの「プレミアム」PCであるところの「Elite」シリーズの新製品を発表した.コンシューマー向けの「Envy」や「Spectre」と同様にコンバーチブル型や2in1とバラエティーに富んだラインアップである.
その中で、新しいカタチとして、15型、テンキーなし、GeForce搭載という、「プレミアムノート」らしい新モデル「EliteBook 1050 G1」が登場したので、製品版を試用してみた.
15型の完全クラムシェルで
高速化を目指したクリエイターズモデル
今回発表となったエリートさんたちは4機種5モデル.「EliteBook x360 1030 G3」は、8GコアのUプロセッサー(4コア)を搭載した、液晶回転型ノートで13.3型のフルHDまたは4Kのタッチ液晶を搭載したモデル.4G-LTEモデムも選べる.既発売の7Gモデルは「EliteBook x360 1020 G2」という12.5インチのマシンである.
2機種めは「Elite x2 1013 G3」で、キーボード着脱式のタブレット型で、背後にスタンドがある、いわばSurfaceスタイルである.液晶は13インチの1920×1280ドットと3対2比率でこちらも4G-LTEモデムを内蔵したモデルがある.前モデルは「Elite x2 1012 G2」で12.3インチだ.ちなみに、現行のEliteシリーズの10~13型モデルはこれら新機種にクラムシェル型も入れると9つ(!)ある.
3機種目が一体型デスクトップの「EliteOne 1000 G2 All-in-One」である.
Eliteシリーズの名称の法則がなんとかくわかったところで、4機種目の「EliteBook 1050 G1」という名称から、2in1(x360やx2)ではない、クラムシェル型で、15インチでこのタイプの第一世代ということがわかる.
これまでのEliteBookの15型は「EliteBook 850 G5」で、8GコアのUプロセッサーにフルHDまたは4K液晶を搭載してテンキー付きキーボードというスタイルながら、なんとRadeon RX540を搭載して、LTEモデムも内蔵できるという、15としてはなかなか攻めているノートだった.
HPの14~15型には、実はEliteBookの上位モデルとして「ZBook」というワークステーションがあり、当然Quadroシリーズを載せている.
テンキーレス+US配列キーボードに
4K液晶はノンタッチ・ノングレアで三重丸!!
というわけで、今回の「EliteBook 1050 G1」は、まずCPUが8GのHプロセッサーである.UではなくTDP45Wのi5-8300Hまたはi7-8850Hつまり6コア12スレッドも選択できることとなった.
GPUはRadeonではなくGeForceのGTX1050を搭載.通常型と思っていたのだが、今回試用機で調べるとMAX-Qデザインとなっていた.
なにより試用してみたくなったのは、テンキーレスというデザイン.現行のHPノートの14型以上では唯一で、なおかつ、このモデルはUS配列のキーボードのみ発売するということである.まさに私のために企画されたようなキーボード設定なのだった.
キーボード全体の幅は約287ミリで、リターンキーの右側に1列のファンクションキーが並ぶ、最近のプレミアム15型ノートではおなじみの配列である.US配列なのでスペースバーも右シフトキーもBSキーも長くてキモチがいい.
キーストロークも十分で、ノートにしてはクリック感もあり、とても打ちやすい、上質なキーボードである.
タッチパッドはもちろんマシンの左右センターにあり、11.5×7.3センチと広くて、こちらはクリックのストロークは短めで音も静かで高級感がある. 液晶はi5搭載モデルは15.6型のフルHDで、i7では4Kだが、ともにノンタッチでノングレアとこれも、「Windowsにタッチはいらない」「ディスプレイはノングレアがあたりまえ」な自分好みの設定なのだ.すばらしいですHPさん.
液晶の左右のベゼルは約6ミリの狭額縁だが、上部は20ミリあるので、ちょっとレトロ感がある.そのかわり、シャッター付きのWEBカメラと、WindowsHello対応のIRカメラも搭載しているので、顔認証でログインが可能だ.
インターフェースは左側にタイプA×2とケンジントンロック、右側は電源端子とタイプC×2とHDMI、ヘッドセット、SDカードリーダーと必要十分が揃っている.キーボードの右手前には指紋センサーが、またタッチパッド部の中央にNFCと、センサー類もすべてそろう.
本体のサイズは360×254×18.9ミリで、GTX搭載15型ノートとして、最近の最小記録を持つRazer Blade 2018 が355×235×16.8ミリであるからして、横幅は5ミリしか違わないが、奥行きは19ミリも広い.重量も2.2キロは日本人のモバイルとしてはキツいので、ぜひダイエットしていただきたい部分だ.
逆にスペックですばらしいのは、メモリが最大32GB、SSDが4TBまで選べるところだ.写真やビデオの編集といった、このマシンのユーザーの想定からすると、とてもいい設定なのである.
全体のボディデザインも直線基調でシャープな印象がいい.ただ、はたして今「シルバー」なのかというのがちょっとあるのと、液晶ヒンジの両サイドの斜めの切欠きがちょっと気になる.
これはかなり好みの問題になるのだが、玄人のみなさんに好んでもらうという意味では、ボディは黒で、直線デザインにしたほうがいいと思います.
6コアCPUにGTX1050で
ハイレベルノートの速度なのである
試用したマシンはi7-8850Hにメインメモリ32GB、SSD2TBという上位モデルである.ベンチマークテストの結果は、CPU速度をみるCinebenchのCPU値が1104と、6コアでも最上位のi9に近いスコアを叩き出した.速いのである.ちなみにOpenGLは119と、こちらもGeForceが効いた値なのだ.
3DMarkのFireStrikeは5347と、GTX1050のMAX-Qとしてはいい値である.ちなみに7Gの4コア+GTX1050のノンMAX-Qとほぼ同じ値で、その上だと、8Gの6コア+GTX1050Tiで約6700となる.
試用機のSSDは1TB×2構成だったが、マルチシーケンシャルのリードが3120、ライトが961でこれもPCIe接続の平均的な値がきちんと出ている.
バッテリーベンチはおなじみBBenchで液晶輝度最大、最も高いパフォーマンスで、連続駆動時間が3時間45分だった.搭載しているバッテリーは約97Whと大きいので、4K液晶ながら、よく持っているほうである.
充電時間は、BBenchで同じ条件で、50%までが40分、70%までが57分、90%までが84分と、不自由のない値である.ちなみにACアダプターは19.5W7.7Aの150W出力で、Spectre 15と同じもので、バッテリー容量が大きいぶん時間はかかるということである.
プレミアムノートとして完璧なつくり
プログラマーもクリエイターも注目すべし!!
重さの実測は2098グラムで、これだけはちょっと減量するか、バッテリーが100Wh近いので、「バッテリー半分だけど1500グラムですモデル(そんなに軽くならないと思うが)」なども選べると、ありがたいのである.ほかのエリートさんのようにLTEモデムも選択できるとありがたいですよね.
オレ的には、ノングレアの4K液晶も、US配列のテンキーレスキーボードも非常に好感が持てる仕様で、なおかつ、6コア12スレッドのHプロセッサーにGTX1050もきちんと速度が出ており、まさにクリエイターにピタリのマシンである.
Elitebookはお仕事用ノートという位置づけなのだが、これだけGTXが回るマシンなので、仕事だけでなく、趣味の写真現像や重めのゲームも、これ1台で全部やりたいアナタやワタシにもいいマシンなのであ~~る.
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