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ゲーミング技術を活用した14型の狭額縁スリム+GeForce爆速マシンなのであ~る

新Prestige PS42 試用レポート = 新世代のビジネスノートPCの登場だっ!!

2018年08月10日 15時00分更新



 MSIは7月6日に「ビジネスノートPC」として、日本向けにPrestigeシリーズの新機種「PS42 8RB」を発表した.このマシンは6月のComputex台北で世界向けに公開されたマシンで、薄型軽量ながらGPUを搭載した、ゲーミングブランドのMSIらしいウルトラブックである.

 日本向け製品版が届いたので早速紹介しよう.

最新CPU+GPUを積んだモバイルノート
Prestigeシリーズ復活!?

 MSIのPrestigeシリーズはCPUに最上位Hプロセッサー、GPUにGeForce GTXシリーズを搭載した17および15.6型の「PE」、「PX」シリーズ、そしてHプロセッサーとGeForce MXを組み合わせた「PL」が発売されていた.シルバーボディーで薄型ではあるが、重量は2キロ以上あり、いわばMSIのスリムゲーミングノートを銀色にしたモデルだった.

 今回発表となった「GS」は、狭額縁の14型液晶にスリムデザインと、今ふうのモバイルノートである.CPUもモバイル用のUシリーズだが、GPUとしてGeForce MX150にVRAM2GBを内蔵しているのが「MSIらしい」部分である.

全体ヘアライン加工のシルバーなビジネスノート風だが天板にはあのマークがさりげなく入っている

 サイズは横幅が322ミリ、奥行き222ミリで厚みはなんと15.95ミリと、ぎりぎり16ミリを切っている.重量は1.19キロで、日本的にはちょっと重いが、世界的にはモバイル用ラップトップである.

 最近流行りの「画面占有率」は80%で、額縁は最薄部が5.7ミリと、上部・左右ともに狭い.そのかわり、WEBカメラは液晶の下部に設置しているので、電話する場合、下から見上げた映像となる.

超狭額縁なのでカメラは液晶の下部にある.

 モデルは複数あり、販売店によって異なる.基本スペックはCPUがi7-8550Uまたはi5-8250U、メインメモリは8GB、SSDは256GBで、GPUはGeForce MX150+2GBVRAMである.

 取り扱い店舗によっては、BTOでメモリやSSDの容量を増やせる場合もあり、最大16GBと2TBまで増設できる(というかそれぞれ1スロットなので換装になる).海外モデルではMX150なし、つまり内蔵グラフィックのみのモデルもあるようだが、それでは魅力半減となる.

キーボードもゲーミング譲りのタッチ
US配列モデルも発見

 キーボードは横幅がちょうど300ミリでさすが14型の余裕というか、リターンキーの右側に1列ぶんファンクションキーが並ぶ.最近の14型以上のテンキーレスのノートではよくある配列だ.

日本語キーボードは若干狭いキーもあるが、リターンキーは大きくて使いやすい.

 とはいえ、日本語配列では、「?」の右の「_」と「^」の右の「|」キーは、USキーボードのSHIFTとBSキーを削って配置されている感じで少し窮屈である.英語配列好きなアナタや特に私のために、US配列キーボードのモデル(8RB-026JP)も一部販売店にはあるようなので、探してみよう.

キートップの文字は強めゴチック系フォントで視認性はとてもいい.

 キーボードは薄型にしてはストロークも長く、打鍵感もなかなかいい.さすがゲーミングノート・メーカーらしい「重さ」もある.

 タッチパッドは幅が99ミリ、奥行きが56ミリと、14型としてはちょっと狭い.表面のすべり具合と、タッチの感度はよく、ストレスはない.クリックはかなり重めで、ミスクリックはしにくいのだが、カチッという音もやや大きめである.左上に指紋認証のセンサーがあるが、これは別の場所か、いまどきとしては電源ボタンに内蔵してほしいところである.

タイプAは右側に2端子だが、タイプCは左右にあり、不便はない.

 インターフェイスは左側に電源端子とHDMI、タイプCとヘッドセット端子が、右側にタイプA×2とタイプC、そしてSDカードスロットもあるのがウレシイのである.

高速版MX150採用でゲームもOKだ
冷却システムもさすがゲーミングメーカーなのだ

 試用したのはi7-8550UにGeForce MX150と2GBのVRAM、メモリ8GB、SSD256GBのモデルで.CinebenchのCPU値は552で、OpenGLは98.6と、同CPU+GPUを搭載した他社モデルとほぼ同じ数値だった.

 PS42には、MSIのゲーミングノートでおなじみの「DragonCenter」というアプリが入っていて、CPUにGPU、メモリなどの回転数を視覚的に表示するほか、動作モードではECOからSport、ファンの回転数も最高回転数や、温度による変化まで、ユーザーが指定できる.

DragonCenterを起動すると、おなじみのスピードメーター画面だが、モノクロでシックである.

シフトレバーマークの部分で速度を、ファンの回転モードは別に指定できる.

ファンの回転数で詳細を選ぶと、温度ごとの回転数を指定することができる.

 いちばん「回り」そうな設定にして、3DMarkを実施してみたところ、FireStrikeで3286という値が出た.これまでベンチをとってきた同CPU+GPUマシンに比べて、明らかに20~30%速い.

 Nvidiaは明言していないのだが、MX150には低クロック版(1D12)と高クロック版(1D10)があり,それぞれ937MHzzと1469MHzで動作するという.TDPも10Wと25Wと2倍以上多くなるので、超薄型ノートでは低クロック版を、14型以上のノートでは高クロック版が使われているという.

 試しにGPU-Zというアプリで調べてみたら、PS42では1D10が、先月試用したMateBook X Prでは1D12が搭載されていた.

 ほかの3D系ベンチマークテストもいつもどおり実行してみたが、やはりどれも25%から、大きいものでは50%以上速かった.そのぶんファンの回転数も上がるのだが、より「ぶん回る」GPUを搭載しているのは安心なのである.

 ちなみに同CPUにGeForceのGTX1050を搭載した他社モデルでは、FireStrikeで5200~5500が出ている.PS42が採用している高速版のMX150は、GTX1050の約60%の威力があるということになる.

 ベンチマークを連続で回しても、本体は過熱しなかった.MSI自慢のCoolerBoost3という、ゲーミングノート用の冷却システムが強力に冷やしているのである.

底面は左右のファンの部分がスリットになっていて、十分な吸気ができるようになっている.

排気口は液晶ヒンジの後ろにあるので、液晶の開角度に関わらず後ろ方向に熱気が出る.

 次にSSDだが、試用機が搭載していたのはSanDiskのSATA接続モデルで、CrystalDiskMarkのマルチシーケンシャルリード・ライトは557と523とそれなりの値だった.他社製PCIe接続モデルの半分以下であるが、先述の「BTOができるショップ」では、最高で2TBまでの各種速度のSSDが選択できたりするので、気になるヒトはそちらで購入されるといいだろう.

 バッテリーは、50Wh内蔵しており、いつものBBenchを「最も高いパフォーマンス」、「液晶最高輝度」で実施したところ、8時間30分動作した.これはかなり優秀で、同等の他社モデルの2倍近く長く動作することになる.

 ACアダプターは出力が19V3.42Aの65W型で、312グラムあった.放電と同じ条件で使用しながらの充電時間は、50%までが56分、70%までが81分と、駆動時間とは逆に他社より遅く、20%~70%長くかかっている.

 消費と充電の速度差から、PS41は、ACアダプターの接続・非接続で、消費電力モデルを大きく変更していることが想像できる.つまり、バッテリー駆動時は動作をかなり抑えて、つながると爆発的威力を出す.とはいえ液晶の最大輝度は変わらないし、WEBブラウザーでは表示が遅くなるわけでもないので、うまい設計である.

最近少なくなったが、PS42はきちんと液晶が180度開脚する.

モバイルとプレミアムの真ん中で
速度と長寿命を実現した
匠マシンである

 本体の重量はカタログ値では1.19キロとなっているが、実測では1.2キロのマシンである.最近の風潮として、どのメーカーも13型はリアルモバイルでより軽量をめざし、15型はプレミアムモバイルで、GPUを搭載して高速化を目指している.

 PS42は、画面サイズ14型で重量1.2キロでMX150搭載と、まさにその「真ん中どり」をしたマシンである.どちらをメインマシンにするか迷っているヒトにズバりおすすの新ジャンル・モバイルノートなのだ.

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