CDの登場後、衰退期に入ったアナログレコード。しかしその間もプレーヤーの生産を止めず、1万円前後の「DP-29F」から上級機の「DP-1300MKII」までしっかりとしたラインアップを維持してきたのがデノンだ。そして2018年。アナログ回帰の流れを踏まえ、最初のレコード再生体験にも適したおよそ10年ぶりの新製品を投入する。
デノンは8月2日、アナログプレーヤーの新製品「DP-400」「DP-450USB」を発表した。価格はそれぞれ5万8000円(税抜)/7万円(税抜)。8月中旬の発売を予定している。
ベルトドライブ方式で、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーを内蔵する。
針を落とす楽しみに加え、使いやすさも配慮
技術的には10年ほど前に発売した「DP-300F」を基本としている。
とはいえ、DP-300Fは実売2万円台と普及価格帯の機種であり価格は倍程度。さらにDP-300Fはワンプッシュで再生が始まり、レコードの最後に行けば針が上がり、アームが元の位置に戻る「フルオートプレーヤー」だ。一方のDP-400/450USBは、手で針を落とすマニュアル方式を採用。内部の構造も極力シンプルにしていて、だいぶ趣の異なる2機種になっている。
新製品の開発に当たっては基本に立ち返り、「音にこだわった機種」とは何かを再検討したそうだ。マニュアル方式にしたメリットのひとつは、オートプレーを実現するために必要なカムからスピンドル(軸)を独立できる点。ワウフラッター(回転ムラ)の低減に効果があると改めて認識できたという。一方、本体に収める部品は減少。そこでターンテーブルは強固で制震性が高いダイキャスト製に変更した。
DP-400/DP-450USBは、言うならばカジュアルにレコードを楽しめるが、本格的なマニュアル操作のプレーヤーでもある機種と言える。ハーフサイズでブラックの筐体が印象的な「DESIGN SERIES」一員と位置づけ、シンプル・ミニマム・シックなデザインをコンセプトにした。人気機種となったデジタルアンプ「PMA60」などとの組み合わせれば、省スペースにHi-Fiシステムを組める。デスクトップ利用も想定した、インテリアに溶け込む外観を持つ機種である。
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