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AWS Summit NYCでのアップデートについて説明

S3の高速化、Snowball Edge上のEC2など、AWSが新発表を解説

2018年07月27日 07時00分更新

 2018年7月26日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンは7月16・17日で開催された「AWS Summit NEW YORK」で発表された内容を説明する記者発表会を開催した。同社の技術本部 エンタープライズソリューション部 部長の瀧澤与一氏は、新機能について一気におさらいした。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術本部 エンタープライズソリューション部 部長の瀧澤与一氏

MLサービスも過去1年で250%以上に増加

 登壇した瀧澤氏は、冒頭でAWSの最新概況を解説。現在、AWSはグローバルの数百万、日本でも十万以上のアクティブカスタマーを抱えており、スタートアップ、エンタープライズ、公共分野などユーザー層も幅広い。また、グローバルインフラとしては、複数のデータエンターを束ねたAZが55、AZを束ねたリージョンが18があり、大阪にはローカルリージョンが用意されている。

 機能に関しては、ほぼ毎日のようにリリースされている状態で、最新のサービスは100を超える。このうちRDBMSであるAmazon AuroraはAWS史上もっとも高い伸びを示しており、顧客数は過去1年に2.5倍に伸びている。また、8万を超えるデータベースがAWS Database Migration ServiceでAWSに移行されているという。さらに最近特に注力する機械学習(ML)サービスも好調で、ML用のプラットフォームであるAmazon Sage Makerの採用が加速したことで、アクティブユーザーは過去1年で250%以上増加しているという。

Amazon Translateの日本語サポート、ユーザーのIPアドレス持ち込みなど

 以下、7月16・17日に開催された「AWS Summit NEW YORK」で発表された新機能について説明する。

Amazon Translateで日本語サポート
言語翻訳APIであるAmazon Translateで日本語、ロシア語、イタリア語、繁体字中国語、トルコ語、チェコ語のサポートが追加された。バージニア、オハイオ、オレゴン、アイルランド、AWS GovCloudで利用可能。最初の12ヶ月は毎月200万文字の利用が無料で、それ以降は100万文字あたり15米ドルになる。今年の後半にはデンマーク語、オランダ語、フィンランド語、ヘブライ語、ポーランド語、スウェーデン語のサポートを追加する予定となっている。

通常はAPI経由で利用するサービスになるが、コンソールから翻訳を試すこともできる

AWS Snowball Edgeで動作するEC2インスタンス
AWS Snowball Edgeデバイス上で動作するEC2インスタンスが発表された。AWS Snowball EdgeはAWSに対してデータを物理搬送するアプライアンス。Xeon Dプロセッサーを搭載したAWS Snowball Edgeのデバイス上で、最大24のvCPU、32GiBのメモリが利用できる6種類のEC2インスタンスを動かすことができる。Snowball Edgeで動作可能だったLambdaに加え、ECインスタンスが動作可能になったことで、閉域環境においてもEC2ベースのアプリケーションの開発やテストが可能になる。
利用に際しては、まずAMIとSnowball Edgeのジョブを作成。Snowball Edgeが届いたら、ネットワークにつなぎ、電源をオンにするとEC2互換のエンドポイントを使ってEC2 CLIを設定し、インスタンスを起動できる。
Amazon S3のパフォーマンスを向上
ユーザーからの評価が高かったのは、ストレージサービスであるAmazon S3のパフォーマンス向上が図られた点だ。書き込みで最大3500リクエスト/秒、読み込みで5500リクエスト/秒をサポート。2MBオブジェクトを5TB分送る場合、従来は書き込みに41分40秒、読み込みに13分52秒かかっていたが、新S3では書き込みが1/3以下の12分、読み込みも約半分の7分に短縮されたという。全ユーザーが対象で、追加料金やアプリケーションの変更なしで、処理時間の短縮が実現されるという。
Amazon EC2インスタンスに「Z1d」と「R5」が追加
計算集約型と言われる「Z1d」は全コアでTurbo Boost機能を搭載し、最大4GHzで動作する高性能なインスタンス。最大48のvCPU、最大384GiBのメモリ、最大1.8TBのNVMeストレージを使える。EDA(Electric Design Automation)やHPC、RDBMSなど高いコア性能を活かすアプリケーションに最適だという。なお、ECインスタンスの末尾の「d」はNVMeの採用を意味しているとのこと。同日、サービス自体の提供も開始された。

Turbo Boost対応のCPUを採用した高性能インスタンスのZ1d

メモリ集約型を謳う「R5」はカスタムのIntel Xeon Platinum 8000シリーズ(Skylake-SP)プロセッサーを採用し、全コアでTurbo Boostを搭載する。最大96のvCPU、最大768GiBのメモリ、最大3.6TBのNVMeストレージを利用可能。高性能なデータベース、分散型のインメモリキャッシュ、ビッグデータ分析などに向いているという。
なお、R5やZ1dはベアメタルインスタンスも提供する予定となっている。
Bring Your Own IPのプレビュー開始
ユーザーの保有するグローバルIPアドレスをAmazon VPCに持ち込める「Bring Your Own IP」のプレビューが開始された。ユーザー所有のグローバルアドレスとAmazonのIPアドレスを両方用いて、EC2インスタンス、Network Load Balancer、NATゲートウェイなどのAWSリソースを利用できる。IPアドレスのレピュテーションをベースとするメール配信をAWS上で行なったり、ホワイトリストを変更することなく、アプリケーションをAWSに移行できるといったメリットがある。現在はオレゴンリージョンでプレビュー中。

 その他、瀧澤氏は最新のアップデートの中から、Amazon EBSのスナップショットの作成や保存、削除を自動化するライフサイクル管理と、Amazon EFS(Elastic File System)の東京リージョンでの一般提供開始について紹介した。

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