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はかって分かる本当の姿

あなたのイヤフォンは本当はどんな音? 周波数特性測定で会場騒然

2018年07月15日 07時50分更新

計測中の風景(DITA Dreamの音をマイクで計測しています)。

 自分で買った高級イヤフォン。「絶対いい音に決まっているはず!……多分」。

 というわけで、普段から「低域がファット」だの、「抜けのいい高域が素晴らしい」だと感想をお互い言い合っている製品が「本当はどんな特性を持ったものなのか」。知りたいと思いませんか? なんとポタフェスの会場で、合計700~800万円にもなるという専用機材で、持ち込んだイヤフォンの特性を計測してもらえるのだ。

これが計測器

 7月14日と15日にベルサール秋葉原で開催中の「ポタフェス 2018 SUMMER」。地下1Fにある、コーンズ テクノロジーのブースに足を運んだところ、持ち込んだイヤフォンの特性を見て、首を傾げたり、興味津々という様子のユーザーであふれていた。

 カタログなどではよく周波数特性のグラフが提示されているが、実際にどういう機器を使ってどのように計測するのか。その一端が垣間見られる展示だ。

 筆者もユーザーの列に並んで、テストをお願いしてみた。

 積み重なった仰々しい計測器につながったマイクで、イヤフォンの音を収録し、その特性をグラフ化して見せるというのが基本的な流れ。編集部でもオーディオ機器を評価する際、ダミーヘッドマイクとか、こういう機材あったらいいなと思っていただけに、興味津々であります。

 持ち込んだのDITA Audioの「Dream」。筆者が現在愛用している、高級ダイナミック型イヤフォンである。もう販売が終了しているが、実売で20万円ぐらいはしていたはずのもの。筆者はDreamの性能を信じているが、実際にどうなるかはちょっと不安でもあった。

 計測時にはマイクにイヤフォンを突っ込んで、そこから音を出すのだが、イヤーピースのないカスタムイヤモニは、マイクに入れられず計測できないとのこと。ポタフェスに来るマニア層は多く、カスタムイヤモニの所有率も高いのか、残念がっている人を何人か見かけた。

 また実際に計測してみると、意外にきれいなグラフになってない人が多い。左右のバラつきが大きい場合もちらほら。となると、耳で聞いた印象で理解していたつもりの特性が、客観的な数字になったらギャップがあったなんてこともありそうだ。

 

DITA Dream(筆者使用中)の周波数特性。

 で、結果がこのグラフ。ひとことで言うと「スゴイ」。20Hz~2kHzぐらいまで左右の線が完璧に揃っているではないか。その後、多少はブレるが5kHzまではほぼ一致、そこから先の高域は片側の音圧が若干落ちているという結果だった。Dreamの製品紹介に、左右のドライバーの特性が同じになるよう厳密に選別した……みたいな記述があったが、これは本当だったのだ。看板に偽りなし。

 すげーよ、DITA。

 ただ一方で不安に感じる面も。高域が若干バラついているということは経年劣化の影響も受けているのかな……という点だ。計測方法は会場でのやや簡易的なものなので、どこまで厳密なのかは判断できないが(差し方やイヤーピースの状態などでも違いが出そう)が、自動車に定期点検や整備があるように、自分の所有している機器の状況をきちんと把握するのが重要だとも思えた。

 言ってしまえば壊れてないし、修理に出すほどでもないけど、いろいろ劣化して、音が悪くなっている可能性がある。それに気付かず使い続けてしまうケースも発生しうるだろう。

ブースには写真のような機材も。

 こういう機材が自由に使える人は稀だと思うのだが、買った時のベストな状態が数年たってきちんと維持できているかを知る術があると嬉しいと感じる。例えば、高額なカスタムIEMなどなら、専門店に持ち込むと、きちんと状態を確認してくれて、ドライバーやネットワーク、端子などの状態が劣化していないか、音がちゃんと出ているかを判断。問題があれば調整して戻してくれる、そんなサービスがあったらいいと思うのだが……。

厳密にやるなら、無響室に持ち込んでダミーヘッドマイクで計測するサポートも開発企業向けにやっているそうです。

 長く使い続けるものだし、多少の料金が発生しても元通りに直るなら、それはそれで嬉しい。そういう手厚いサポートをしてくれるカスタムIEMのメーカーがあるのなら、多少高くても一生かけて元を取るつもりで、心おきなく作れるし、悩んだらそういう安心できるメーカーを最優先にして、買っちゃうと思うのですがね……。

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