東京・上野の国立科学博物館と言えば、「FUJIC」や「TK-80」が展示されているなど、コンピューター大好きのASCII読者にとってもおなじみ(?)の施設だが、この夏の特別展はストレートに「昆虫」! メディア向け内覧会が開催されたので、一足先に見所をいくつかお伝えしよう。
リアルな巨大昆虫模型がお出迎え
変わった形の昆虫やゴキブリまで!
会場に入って、ドカーンと鎮座しているのは全長2メートルの巨大模型。ニホンミツバチやオオムラサキといった定番の昆虫について、手足や毛の長さまで監修者がこだわったというリアルで複雑な肉体に、昆虫の不思議を実感できる。
単純に見るだけで興味が沸くのが、いろいろな色や変わった形の昆虫の展示。特に面白いのがツノゼミ(ただしセミとはやや遠縁らしい)で、ツノ部分の多様性に富む。擬態によって敵から狙われることから防ぐなど、その多くは理由が想像がつくのだが、4つの丸いコブがくっついたマルヨツコブツノゼミに至っては、研究者の間でも議論をしても、その意味はまったく不明とのこと。プロがわからないのなら、素人には当然わからない……というわけで、親子でいろいろとその理由を妄想してみても面白いかも。
また、「Gの部屋」というコーナーも。ここでは、“G”こと生きたゴキブリが展示されている。実はゴキブリの99%は森に住んでおり、動植物の死骸を処理するなど、生態系において重要な役割を担っている(日本の家庭に住み着いたゴキブリも熱帯の森からやってきた外来種とのこと)。さらに世界各地に住むさまざまなゴキブリの標本を見ることができる。
話題になっているのが、沖縄本島の北端部に住む天然記念物で国内最大のカブトムシである「ヤンバルテナガコガネ」。同種の基準となる世界で1点しかない極めて貴重な「ホロタイプ標本」であり、盗難や破損の恐れなどから、公開にあたってはさまざまな議論があったとのこと。貴重な機会であることは間違いないので、ぜひ見ておきたい。
このほかにも、チョウとガの違いの説明(監修者の先生も一番よく聞かれて、そして回答に困る質問だとか)、アリをだまくらかして(?)共生する昆虫たちのさまざまな手法、昆虫のコミュニケーション手段、琥珀の中に閉じ込められた絶滅した昆虫、研究者たちの昆虫採集テクニック、膨大な昆虫コレクションの展示など、見所はとにかく一杯だ。
あと忘れてはいけないのが、会場内での音声ガイド(550円)。NHK Eテレ「香川照之の昆虫すごいぜ!」でのマニアっぷりでもおなじみ、俳優の香川照之さんがあのハイテンションで登場。来場時は合わせてぜひチェックしてほしい。
●特別展「昆虫」
会場:国立科学博物館(JR上野駅から徒歩5分)
会期:7月13日(金)~10月8日(月)(7/17、9/3、9/10、9/18、9/25は休館)
開館時間:9~17時(入場は30分前まで、金・土は20時まで、8/12~16、19は18時まで)
入場料金:一般・大学生・1600円、小中高生・600円(未就学児は無料)
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