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スマートスピーカーブームの中で成長するSONOSに、Apple MusicのSpotify超え、米国の音楽再生事情

2018年07月11日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

Apple Musicが米国でトップに

 スピーカーは家にいる時間に音楽を楽しむ道具で、それ以外の場所では基本的にはヘッドフォン、イヤホンなどで音楽を楽しむ事になります。

 AppleのAirPodsは生産体制が整いつつあり、街でも見かけることが多くなりました。あくまで感覚的な話ですが、2018年3月に米国中でも指折りの大都市、シカゴに行ったとき、サンフランシスコやバークレーで見る以上にAirPodsが普及していることにびっくりしました。

 Appleは今後、ワイヤレス充電に対応するAirPodsケースを用意していると伝えられており、またよりハイエンドモデルの登場も予測されています。外で音楽を聴く仕組みは、今後も充実していくことになるでしょう。

 聴く手段とともに重要なのが、ソース、音源です。米国ではストリーミング音楽の定額サービスへの移行が続いていますが、最近のデータでは、これまで先行してきたSpotifyが、米国史上においてApple Musicに追い抜かれたそうです。

 Digital Music Newsによると、Apple MusicもSpotifyも、米国市場では2000万人の有料会員を集めていますが、米国市場において有料会員数の増加はApple Musicが5%、Spotifyが2%と差がついていました。今後もその差は開いていくとみられています(https://www.digitalmusicnews.com/2018/07/05/apple-music-spotify-us-subscribers-2/)。

 それでもSpotifyは、依然として世界最大の音楽ストリーミングサービスであり、有料会員は7500万人と、Apple Musicの4500万人を大きく上回っています。またSpotifyは広告モデルの無料会員も用意されており、世界のリスナー数は1億6000万人と優位に立っています。

 しかしユーザーのエンゲージメントについては、Apple Musicが勝るという結果も示されています。Drakeの新アルバム「Scorpion」は、最初の1週間で1億7000万ストリームだったそうですが、Spotifyは無料ユーザーも多く抱えながら、1億3000万ストリームに留まったそうです。

 Appleとしては、加入者数以上に、エンゲージメントの高さは重要といえます。アーティストに対して、新しい音楽の発表の場としての有効性を示すことができるからです。

 その一方で、筆者は米国にいながら、桂歌丸さんの落語を長らく聴いており、亡くなったというニュースに驚きを隠せずにいます。落語は正確には「音楽」ではないのかもしれませんが、購読型サービスはライブラリを制限なく聞ける点も、体験上のメリットと言えるかもしれません。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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