最近では、芸能人などの著名な人がさまざまなソーシャルメディアのアカウントを持つことによって、自身のファンの人たちへ直接メッセージを伝えることができるようになりました。憧れの著名人の投稿によって、私たちファンがその人により親しみを持ったり、テレビや雑誌などではわからない一面を知ることができたりします。
また、私たちからもTwitterのリプライ機能やInstagramのコメント機能を通じて、その本人に対して応援のメッセージを書き込むこともできます。場合によっては、その人自身から直接TwitterやInstagramでお返事をもらうこともあります。
普段、接することができない憧れの人をより身近に感じられる機会があるのも、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアの魅力のひとつとも言えます。
そんななか、人気YouTuberのHIKAKIN(ヒカキン)さんが6月27日にYouTubeへ投稿をした動画にて、HIKAKINさんを名乗る悪質な偽のTwitterアカウントが現れたと報告しました。偽物のTwitterアカウントでは、大量のiTunesカードなどの写真とともに「RT(=リツイート)した人全員にプレゼントします」と告知を投稿。この投稿に対して5万以上ものリツイートや2万以上ものいいねされていることを受け、HIKAKINさんは「偽物なので気をつけて!」「DMのやりとりなどはしないでください!」と注意を促しました。
本物か偽物かを見分ける簡単な方法は「認証済みのマーク」
今回のHIKAKINさんが注意を呼びかけた偽物のTwitterアカウントは、プロフィール写真、カバー写真、そして投稿内容に至るまで、本物の公式Twitterアカウントに似せて(コピーして)作られたものです。
そもそも、大量のiTunesカードなどの写真とともに「RT(=リツイート)した人全員にプレゼントします」と告知したツイートの内容にそのものに対してまず疑いをもつべきなのですが、HIKAKINさんのプロフィール名やプロフィール写真だけを見て、それを本物のツイートと思い込み、つい、リツイートやいいねをしてしまった人も多く、結果的に5万以上のリツイートと2万以上のいいねにつながっています。
HIKAKINさんが投稿した動画でも触れられているように、HIKAKINさんの公式TwitterアカウントにはTwitterのブルーの認証済みバッジがつけられています。
この認証済みバッジは「アカウントのプロフィールの名前の横と、検索結果のアカウント名の横に表示されます。プロフィールやテーマカラーをカスタマイズしていても、常に同じ色で同じ場所に表示」されるものです。(Twitterヘルプセンターより)
同じような仕組みはInstagramやFacebookにも導入されており、著名人のアカウントなど、「認証バッジ」などは世間の関心を集めるアカウントに対して付与されていることがほとんどです。
この認証バッチは人物だけでなく、公式の企業や自治体のソーシャルメディアアカウントにもつけられていることも多いです。そのため、自然災害などが発生したときにソーシャルメディアで情報を得ようとしたときに、投稿(ツイート)された情報が信頼性がある正しい情報なのかを見極めるときにも、この認証済みバッチはその判断をするときの基準にもなります。
どのような情報であれ、ソーシャルメディアで流れてきた情報が偽物ではない、正しいところから発信されたものなのか? と疑問を少しでも感じたとき、まずは、その投稿をしたアカウントのプロフィールを確認する習慣をもつようにしましょう。
公式だけど「認証済みのマーク」がないアカウントもある
公的な機関や著名な人であればあるほど、この認証済みマークがついていることがほとんどですが、公式なアカウントであるものの認証済みのマークをつけていないものもあります。よって、すべてが「ついてないからといって偽物である」と言うことができない場合もあります。裏を返せば、認証済みのマークがついていなかったとしても本物であることも大いにあります。
では、目にしたアカウントに認証済みマークがついていない場合、そのアカウントが公式なものなのかを見極めるにはどうしたらいいでしょうか。その方法のひとつに「公式のWEBサイトをチェックする」という方法があります。
Googleなどの検索エンジンから公式WEBサイトをチェックすることで、そのアカウントが公式なものなのかを知ることができることがあります。
例えば、自治体の公式アカウントをソーシャルメディア運用ポリシーとともに「運用しているソーシャルメディアアカウント一覧」として公開しているところも増えていますし、同じように企業や芸能人などの著名な人も、フォローしてもらうためにWEBサイト上にソーシャルメディアのアカウントのリンクを貼っていることが多いです。
公式WEBサイトからソーシャルメディアのアカウントのリンクや紹介がなければ、「もしかしたらこのアカウントは公式なものではないかもしれない」という判断の材料のひとつになります。
Twitterは「作成日」「フォロワー数」「フォローしている人」も判断の一助に
今回のHIKAKINさんが注意喚起をしたTwitterアカウントはプロフィール写真やプロフィール文、ツイート内容も似せられた(コピーされた)ものであったため、偽物のTwitterアカウントを「本物」と勘違いしてしまった人も多かったかもしれません。
目に触れたツイートをリツイートするとき、そしてそのアカウントをフォローするとき、著名であればあるほど、まずはそのアカウントのプロフィールページをチェックすることです。
認証バッチがついていれば、それは信頼性があるアカウントということになります。もし、認証バッチがついていない場合でも、その人(や機関)の公式WEBサイトをチェックすることでそのアカウントの信頼性を確認できます。
ただ、それでもそのアカウントが本物なのか偽物なのかがわからない場合もあるのも事実です。
その場合には、Twitter検索でその人(や機関)を検索してみることで複数の同じようなアカウントがないかどうか、また、Twitterのアカウントを作成した日(これはパソコンのブラウザ上でチェックすることが可能です)も判断のひとつになります。アカウントを作成した日が直近であればあるほど、そのアカウントの信頼性は低いと判断することもできます。とくに今回のような「不審なプレゼント企画」を実施しているようなケースであればあるほどなおさらです。
さらには、そのアカウントのフォロワー数の多さ、そのアカウントが「誰をフォローしているか」というのも信頼性を判断する基準にもなります。
Twitterに限らず、ソーシャルメディア上には著名な人や公的な機関をうたう偽物のアカウントは、非常に残念ではありますが、その人や企業が著名であればあるほど多く存在しています。
だからこそ、普段、ソーシャルメディアへ流れている情報が正しいものなのかそうでないのかを見極めるテクニックだけでなく、ソーシャルメディアのアカウントそのものが本物なのかそうでないのかを見極めるテクニックも、ソーシャルメディアを楽しむ上で必要なことです。
ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda)
ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com
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