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エンタメから金融、画面付きスマートスピーカーまで! LINEが大幅改革

2018年06月30日 10時00分更新

ミニオンズのClova Freindsや
ディスプレー付きスマートスピーカーが登場

 AI関連サービスの戦略では、2017年に発売されたスマートスピーカー「Clova WAVE」など、ボイスインターフェースのデバイスを中心とした新機能や新サービスの提供を発表した。

昨年の登場以降、音声の認識率が10%向上するとともに、テレビ音声への誤反応も1/3に低減

レスポンスタイムが1秒以上短くなり、ストレスを低減

わずかな学習データだけで高品質な音声合成を可能にする「DNN TSS」を実現

約4時間分の学習データだけで、リアル名音声合成を可能にする

 舛田氏は、Clovaの利用ユーザーとして、女性や年配者などが多くを占めていることを示し、「一般的なガジェットのユーザー層とは異なり、LINEらしいユーザー傾向を表している」と指摘。そして、今後の成長には音声認識の向上、キャラクター、スキルの拡充が重要な基本要素とし、それらに対する戦略を説明。

 音声認識については、学習が進んだことなどで認識率が10%向上するとともに、テレビ音声への誤反応も1/3に低減できたという。また、レスポンスタイムも1秒以上短くなったことで、ストレスなく利用できるようになったとした。

 続いてキャラクター。こちらは、4時間ほどの学習データを用意するだけで高品質な音声合成を可能にする新技術を開発。これによって、今後アイドルや声優など、様々なキャラクターの音声合成を簡単に実現できるようになるとした。カンファレンスでは実際に舛田氏の声をベースにした音声合成が披露されたが、非常にリアルな声に驚かされた。

 Clova Friendsの新キャラクターとしてミニオンズが追加になることも発表。Clova FriendsとClova Friends miniで展開され、2018年秋に発売を予定している。

Clova Freindsに新キャラクター「ミニオンズ」が登場

Clova FreindsとClova Freinds miniで登場

 またスキルの拡充に向け、スキルプラットフォームをオープン化するとともに、スキル開発キット「Clova Extension Kit」の提供を開始する。あわせて、スキルマーケットも開設し、ユーザーが好きなスキルを自由に選べるようになる。赤外線を利用した家電操作機能は、対応メーカーや製品を拡充するとともに、Clova Friends/miniでも家電操作を可能とする「Clova Friends Dock」を発売するという。

スキルプラットフォームをオープン化する

「Clova Extension Kit」を提供し、サードパーティーがスキルを作成できるようになる

スキルを配布する「Clivaスキルマーケット」も用意される

Clovaの家電操作機能も今後拡充される

 さらに、トヨタ自動車と連携し、車の中でClovaが利用できるようになる「Clova Auto」も発表。2018年冬より順次発売予定の「Smart Device Link(SDL)」に対応する新型車でClovaの利用が可能になるとのことだ。

 そしてClova搭載デバイスの新製品として、ディスプレー搭載の「Clova Desk」も発表。声の問いかけに対し映像で答えることが可能となり、ボイスコミュニケーションとホームサイネージを掛け合わせたような存在になりそうだ。カメラも搭載し、画像認識や顔認識が可能とのこと。Clova Deskは2018年冬に発売予定。

Clova Freindsでも赤外線を利用した家電操作ができるように「Clova Friends Dock」を発売

トヨタ自動車と連携し、自動車でClovaが利用できる「Clova Auto」を発表

2018年冬より順次発売予定の「Smart Device Link(SDL)」に対応する新型車でClovaの利用が可能に

ディスプレーを搭載するClovaデバイスの新製品「Clova Desk」を冬に発売

Clova Deskはホワイトとブラックの2色をラインナップ

LINE PayとQUICPayが連携!
中小店舗向けの新サービスも

 最後に金融部門。現在LINEでは、金融部門にかなり力を入れているそうで、今回もさまざまな新サービスが発表された。

 まず、LINEの決済・送金サービス「LINE Pay」の新機能として、非接触決済への対応が発表された。LINE Payの実店舗での決済では、バーコードやQRコードを表示させて行なうが、それにFeliCaを利用した非接触決済機能が加わることになる。この非接触決済への対応は、JCBが展開する非接触決済サービス「QUICPay」との連携によって実現される。国内のQUICPay対応店舗で、LINE Payの残高を利用した決済が可能となる。

LINE PayがQUICPayと連携

国内のQUICPay加盟店で、LINE Payの残高を利用した非接触決済が可能になる

中小規模や個人商店などでもキャッシュレス化を推進するために新たに用意される店舗向けの決済アプリ「LINE Pay 店舗用アプリ」

LINE Pay 店舗用アプリは初期投資費用0円で利用できる

 また、店舗向けのLINE Pay新サービスとして、店舗向けの決済アプリ「LINE Pay 店舗用アプリ」が用意される。このアプリは、中小規模や個人商店などでもキャッシュレス化を容易に実現するためにLINEが戦略的に用意するものとしており、店舗側の初期投資費用を0円にするとともに、2018年8月からの3年間に限り、このアプリを通した決済については決済手数料を無料にするという。こういった施策により、国内のキャッシュレス化推進に向け革命を起こすとした。

 個人向けの家計簿・資産管理サービス「LINE家計簿」も新たに提供を開始する。これは、金融機関やクレジットカード、ECサイトなどと連携し、預金やECサイトでの決済、LINE Payでの決済などの支出入を一元管理できるサービスで、ユーザーのお金の流れを一元管理し可視化することで、資産管理をやりやすくするという。

LINE Pay 店舗用アプリでの決済に限り、2018年8月から3年間、決済手数料が無料となる

LINE PayのQR/バーコード決済利用者には、1年間ポイントが3%追加で付与される

個人向け家計簿サービス「LINE家計簿」を提供

損害保険ジャパン日本興亜と業務提携し、損害保険領域における新サービスを提供

 このほかには、損害保険ジャパン日本興亜と業務提携して、損害保険領域における新サービスの提供や、日本と米国を除くグローバルを対象に、仮想通貨取引などのサービスを提供する仮想通貨取引所「BITBOX」をオープンすることなども発表した。

日本と米国を除くグローバルを対象に、仮想通貨取引などのサービスを提供する仮想通貨取引所「BITBOX」を開設

 このように、LINE CONFERENCE 2018では非常に多岐に渡る分野での新サービスが発表された。発表会を通して、至る場面でキーワード「Redesign」が使われたが、それを体現するかのような魅力的なサービスが目白押しで、非常に勢いを感じた。

 このところ“LINE離れ”という言葉を見聞きすることもあるが、今回の発表会を見る限り、勢いの陰りはまったく感じなかった。今後のLINEの展開からはまだまだ目が離せない。

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