ヒートシンクによる温度低下で転送速度は変わる?
では、NANDやコントローラーの温度を下げて転送速度はどう変化したか? 結論から言ってしまえば、変化はなかった。
一般的にNVMe SSDは書き込み処理が多いと温度はグングン上がっていき、ある上限温度に達したところでガクンと極端に速度が落ちる。しかし、今回の検証環境ではヒートシンクなしで運用しても970 EVOが温度上昇が原因で減速することはなかった。減速はあくまでIntelligent TurboWriteの有効サイズからあふれる瞬間に起こっており、温度上昇に起因するものではない。
NVMe SSDでは大きなファイルコピーになると、最初こそ景気よくトップスピードで作業してくれるが、後半は温度上昇に伴う速度低下と再上昇を繰り返し、のこぎりの歯のようなグラフになることが多い。製品によっては一時的に毎秒100MB以下に落ちるものもある。そのため、温度上昇を抑えるヒートシンクをつけるのが定番になっている。
しかし、今回試した970 EVOの500GBモデルの場合は22GBまでのファイル程度なら最後まで毎秒2300MBのトップスピードで書き込み終わる。60GB程度のファイルになっても後半は毎秒600MBをキープし、温度が上がりきる前に作業を終えてしまうのだ。
では、ヒートシンクは必要ないのではないか? というとそんなことはない。データ保持の観点から考えれば、NANDの温度は低ければ低いほどいい。ヒートシンクをつければ温度上昇がかなり抑えられるため、NANDの劣化スピードを抑制し、故障する可能性を大きく低減してくれるだろう。
というわけで、970 EVOのレビューのまとめに入ろう。PCゲームのロード時間の速さは素晴らしく、HDDユーザーなら全員速攻で乗り換えて良しな1台だ。また、温度と速度のバランスも非常に賢いの一言。M.2スロットが複数あれば、OS用とゲーム用とに分けて970 EVOを2枚導入するのも全然アリ。キャンペーン中にヒートシンク付属モデルを購入しておけば、よりハードな環境でも万全の状態で長く使えるだろう。
■関連サイト
Samsung 970 EVO製品ページ
970 EVOを買って「長尾製作所オリジナルヒートシンク」をゲット! キャンペーンページ
(提供:日本サムスン)
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