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所有欲を満たすマシンでないと働く意欲も削がれてしまう

JSOLがシンクライアントのマシンとしてVAIOを導入した理由

2018年07月05日 09時00分更新

たまたまVAIOと運良く出会えた

 そして前回の刷新から5年が経ち、新たな刷新の時期が訪れた。2017~2018年だ。

早川 「今回のシナリオでは、Windows 7からWindows 10への移行となります。VDI環境を継続して運用する点での大きな変化はありません。そのかわり、スマホを利用せずにWeb会議ができるようにしたかったのです。この5年間でVDIが音声や映像のシンクライアントへのリレーに対応したことも大きいです。そこで、新規に導入するマシンには、セキュリティ上の理由で外していたカメラ機能を付け、コミュニケーションクライアントとして提供しました」

 今回の刷新では、VDI環境を導入する範囲も広げている。

早川 「5年前には社員全員に向けてシンクライアントを支給しました。しかしビジネスパートナーさん(常駐する外部スタッフ)は見送っています。1200名ほどの社員に対して、パートナーは800人ほどいて、ハードの導入コストが見合わないと判断したのが1つの理由でした。5年前はそう考えていたのです。しかし、それは間違いでした。理由はパートナー向けに実機をお渡しするためにセットアップを済ませ、日々の運用/管理を行うことを考えると、トータルではシンクライアントにしたほうが効率的だったためです。中身のないシンクライアントを渡して『VDI登録が済んでいるので、これを使ってください』と言ったほうが、断然対応しやすいし、管理も楽です」

 シンクライアントはすべてのデータをサーバー側で処理し、クライアント側にデータは残らない。接続するアカウントの管理も集中的に可能だ。TCOを考慮した場合、ハードを購入するコストが増しても、導入・運用・廃棄のためのコストを差し引けば、十分にメリットがあるという判断なのだろう。

 そんなときにたまたま、VAIOがシンクライアントをやるということを耳にしたそうだ。

早川 「しかもVAIOさんがシンクライアントをやってくれると言うのはうれしかったですね。正直、いままでVAIOさんのマシンをビジネスで使うというイメージがあまりなかったですね。コンシューマー向けのイメージが強くて、もっとエンターテインメント寄りのマシンだと思っていました。こういうマシンをビジネスで使えるのであれば、会社から支給されて使わされているという感じも減るのではないかと考えました」。

 前回の刷新の際、社員から「MacBookの利用ができないのか」という声があったという。しかし、異なるOSの機材が混在すると、セキュリティポリシーが複数必要で、何重にも再投資が必要となるため実現は難しかった。VAIOであればその心配もない。

早川 「みんなが言っているのは煎じ詰めれば、所有欲を満たすことなんです。外回りを担当する人間は、他社のマシンを見ているので、余計そう思うのだと思います。VAIOならその点でも負けないと思っています。事実、ほかの会社の人に『いいですね』と言われたこともあります

 VAIOのいいところは、単にデザインがいいだけでなく、キーボードが打ちやすくて静かだったり、堅牢性が高かったり、インターフェースが充実している点です。この点でも評判が高い。毎日使うマシンであれば、キーボードが打ちやすくて使いやすいというのは絶対条件です。そのうえで、所有欲を満たすことが、社員に地味に効いてきます。本社部門としては、社員がいいなと思うようなマシンを提供したいと思ってます。社員に満足してもらうことで、より大きな成果を出してもらうのが良い会社なのではないでしょうか」

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