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タダでHDDがSSD並みに高速化!Ryzen&X470の「StoreMI」検証結果

2018年06月28日 12時00分更新

 ではHDDベースのシステムにStoreMIを利用してSSDを結合したTierドライブで、どのようなパフォーマンスが出るのかを検証していこう。StoreMIも既存のSSDキャッシュ技術と同様によく使われるデータをSSD側に移してパフォーマンスを向上させる。つまりアプリを1回起動させただけでは効果は得られないので、数回起動して“覚えさせる”必要がある。

 そこでいくつかのベンチマークを利用して学習効果による性能向上の推移を追跡してみた。最初は定番の「CrystalDiskMark」を使用する。以下は各ドライブ単体にOSを導入した時の性能。これが評価のベースラインとなる。

WD20EZRZ-RT単体での「CrystalDiskMark」実行結果

MZ-N6E250B/EC単体での「CrystalDiskMark」実行結果

 前者は5400rpmのHDD、後者はSATAのSSDらしい、ごく一般的なパフォーマンスを示している。ではこれらをTierドライブとして結合した時のパフォーマンスを見てみよう。時系列順に並べている。

Tierドライブ構築後最初の「CrystalDiskMark」実行結果

Tierドライブ構築から2回目の「CrystalDiskMark」実行結果

Tierドライブ構築から3回目の「CrystalDiskMark」実行結果

Tierドライブ構築から4回目の「CrystalDiskMark」実行結果

Tierドライブ構築から5回目の「CrystalDiskMark」実行結果

 初回のリードはほぼHDD並しか出ないが、ライトはSSDに近い数値が出ている点に注目。リードは回数を重ねると徐々に数値を増やしていき、4回目でほぼSSDと等しい値となった。

 5回目は性能が下がったが、後述する6回目以降のテストでは4回目相当の数値に戻る。ファイル配置に関係する何らかの処理との競合で、若干性能がフラつくことがある。次の図は後述するアプリやゲームの起動テスト(3種類×5回)を終えたあとにCrystalDiskMarkをもう一度回した結果である。

「CrystalDiskMark」各種テスト実施後の実行結果

 予想どおりキャッシュの効果が消え、リードの数値が大幅に減っている。StoreMIがファイルの配置を最適化する作業とぶつかると、この程度まで落ちることもあるということだ。

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