価格を抑えながら、ハイレゾ級の高域再生に対応できるといった特徴があり、採用例が増えているのが、振動板にグラフェンを使った、ダイナミック型イヤフォンだ。
グラフェンはダイヤモンドよりも硬い素材。これをコート用の素材に使うことで軽く強い振動板が作れるわけだ。1~2年前からよく見かけるようになり、今や1万円以下のハイレゾイヤフォン用ドライバーとしては定番になっている。日立マクセルの「Graphene」シリーズのように、そのまま製品名にうたった製品もある。
そんな中、2000円台の低価格で40kHzまでの高域再生に対応したハイレゾイヤフォンが登場した。アルペックスとコラボし、e☆イヤホンが販売する「Hi-Unit」だ。上位モデルとして5月31日にリリースされた「ALPE HSE-A2000」は、両社がドライバーの選択、仕様・構成の初期段階から意見交換して完成した製品だという。
ハウジングは既発売の「HSE-A1000」よりさらに小ぶり。10gと軽量だ。筐体にアルミ素材を利用しており、ラグジュアリー感も演出しているという。色は9色あり、男女問わず使える点にも配慮している。
使用するドライバーの直径は8㎜で、5~40kHzの再生に対応。インピーダンスは16Ωで出力音圧レベルは92dBとなっている。価格は2400円。
軽くて装着しやすい、音は本格的なHi-Fi品質
実際に聴いてみた。ケーブルはY字型になっており、ケーブルを耳に後ろに回したりすることなくそのまま装着すればいい。着けて感じたのは非常に軽量だという点だ。金属製で質感があるのでその感じが際立つ。
試用したのはゴールドで、iPhoneのゴールドカラーともマッチする。
iPhone 6sと組み合わせて何曲か聴いてみたが、上々なHi-Fiサウンドで低域から高域まですっと伸びる。最近のイヤフォンは低価格なものでもかなり高品質だが、それでも2400円の製品とは思えないクオリティーだ。
傾向としてはフラットで、高域はきらびやか。低音や中音は見通しがいい。特に女性ボーカルなどが非常にクリアーで透明感がある。倍音の再現がいいためか、音の輪郭がキリリと立って、シャープな印象がある。低域に関してもタイトというほどではないが、膨らみすぎず明確。量感は控えめなので、重低音が響くという感じではないが、ビート感など必要なところはキッチリ再現するという印象だ。ローエンドもまずまず出ていると思う。
音作りは1万円+αぐらいの機種と言ってもいいほど正統派。残響や音色感の再現に重要な高域が弱い音まで緻密に再現されるので、小編成のクラシックやアコースティックな楽器との相性も抜群。弦や金管楽器のハリがある音色が魅力的だ。
装着もしやすく、手持ちのスマホと組み合わせて、手軽にいい音が手に入る機種として要注目。複数の色を買って使い分けたりも面白いかも。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります