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グラフェン振動板で高域が伸びるハイレゾ仕様

3000円台と思えない、国内大手のイヤフォン「CH3」をちょっと聴き

2018年03月21日 21時00分更新

 オンキヨー&パイオニアの新製品「CH3」は3000円台半ばの低価格レンジながら、ハイレゾマークを取得。ワイドレンジの再生が可能なお手軽&高音質イヤフォンだ。

 直径5.5㎜のダイナミック型ドライバーを採用しており、筒形の筐体自体も直径6.8mmと非常に小型。アルミニウムを精密に切削加工したもので見た目の質感も十分だ。重量は3.1gと軽量で、シンプルにいい音を手に入れたいと考える人にとって、いい選択肢になっている。

パッケージ

 特徴はグラフェンコートの振動板を採用している点。ダイヤモンドより硬く、熱伝導度、引っ張り強度、電気伝導度などに優れた素材となる。人気の素材で、比較的入手しやすい価格帯のイヤフォンで積極的に採用されている。コストを抑えつつも、ハイレゾクラスの高域を再生するのに適した特性を持つためだ。CH3もこのグラフェンをコーティングして強度を高めた振動板を使い、8Hz~40kHzとワイドレンジの再生が可能となっている。

 装着してみると、軽さに驚く。一方でシンプルな形状ということもあり、角度をうまく調整すれば、耳へのおさまりも悪くない。普通に装着してもいいが、ケーブルを耳の周囲に巻くように装着する「オーバーイヤーフィットスタイル」でも装着できる2ウェイデザインとなっている。つけはずしを頻繁にするにはやや面倒だが、しっかりとした装着ができることに加え、ケーブルが何かに触れることで生じるタッチノイズも防止できる。

イヤピースを外したところ。とても小さい

 音に関しては、知らなければ3000円台の製品とは思えないほど質が高い。ウォークマン A45と組み合わせて聞いてみたが、高域がよく伸びて、広がり感のあるサウンドだ。音離れがよくて、楽曲の情報を分かりやすく伝えてくれる。女性ボーカルの響きが美しく、ブレスなど細かなニュアンスも的確に表現する。低音は過度というほどではないが、やや強めに出る印象だ。

ドライバーはグラフェンコートの振動板を使っている

 全体としては忠実寄りの再現だが、J-POPやアニソンなどでは、少しズンドコした感じがあるので、ちょっと好みが分かれるかもしれない。逆にクラシックや、ギターなどシンプルな伴奏のみのボーカル再生など、アコースティック系ソースの再生時には低域の支えが安定感につながる印象を受けた。

 今回はゴールドのモデルを試用したが、ほかに赤、シルバー、ピンク、ブラックなどが選べカラバリも豊富だ。手軽に使える機種として、標準ヘッドフォンからのステップアップにもいいし、手軽な価格なので、すでにいいイヤフォンを持っている人の買い足しでも負担が少ない。多少ラフに使える、普段使いの機種、あるいはメインとは傾向の違うサブ機など、用途に合わせた選択をしたい。

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