PFUと東プレ、それぞれHappy Hacking Keyboard(HHKB)とREALFORCEというPC用高級キーボードで知られる両社が、キーボードビジネス領域においての協業を発表した。その第1弾として、「REALFORCE R2」の限定モデル「PFU Limited Edition」を開発。PFUの公式ECサイトで販売する。
両社の関係は、最近になって築かれたわけではない。すでに知られているように、HHKBシリーズでは2003年の「Happy Hacking Keyboard Professional」に始まり、上位モデルにおいて東プレの静電容量無接点方式のキートップを採用。“フェザータッチ”とも呼ばれる軽快なキータッチは両シリーズのユーザーによって共有されてきた。
それが今回さらなる協業に至った理由として、「高級キーボードの市場拡大」「両社のビジネスにおける補完関係」が説明された。
高級キーボードの市場は拡大中
2社の協業で世界に打って出る
PFUの説明によると、ITエンジニアやeSports分野における高級キーボード志向により、アジア圏において市場が拡大。高級キーボード全体の市場規模は2020年には333億円に達する見込みという。またHHKBシリーズは、2万円オーバーの「Professional」モデルと数千円の「Lite」モデルの2ライン構成となっているが、比率的に以前は後者が主流だったのが、現在は逆転。Professionalモデルが70%を占めるに至っている。今後の販売拡大を狙う中で両社の協業で、ラインアップの補完関係が可能とする。
またビジネススキームの点でも両社は補完関係があるという。というのも東プレは、静電容量無接点方式のキートップをはじめ、開発製造力は高いものがあるが、一方で同社はPC周辺機器メーカーでは必ずしもなく(メインの事業は自動車用パーツのプレス加工や空調設備など)、販売面、特に海外では代理店を通じたビジネスがメインとなっていた。
一方でPFUは、イメージスキャナーのビジネスにおいて、グローバルで販売網を持っている。こうした販路の活用を考えているというわけだ。すでに今年9月にはPFUの中国販売拠点を通じて、中国市場でREALFORCE R2シリーズを発売予定であるほか、さらに北米へも展開予定で、2017年は両社合わせて約3万台の販売台数を、2020年には8万台へと拡大する計画を立てているということだ。
なお、今回発売されるPFU Limited Editionは、基本的にはすでに発表されているREALFORCE R2のテンキーレスモデルだが、HHKB Proと同じキー押下圧ALL45gであるほか、静音仕様、キースイッチがオンになる位置が3段階からカスタマイズできるAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)仕様の組み合わせは、今回が初となる。
用意されるのは日本語配列/英語配列とアイボリー/ブラックをそれぞれ組みわせた計4モデル。日本語配列モデルは「かな文字なし」、アイボリー/ブラックともキーの印字は擦れで消えにくい昇華印刷が採用されている。日本語配列モデルはすでに発売されており、英語配列モデルは7月3日発売予定。PFU公式ECサイトでの価格は3万780円。
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