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営業現場での活用を語るミライク、RPAまで取り込んだGEクリエイティブ

人にやさしくないプロセスをkintoneで変え、請求業務は10日から3日へ

2018年05月14日 09時00分更新

業務プロセスの改善活動とkintoneがリンクする

 とはいえ、一足飛びにkintoneの導入まで進んだわけではなく、まずは導入済みであった「サイボウズ Office 10」のカスタムアプリで案件管理を試した。案件管理アプリでは受注から支払い請求、キャッシュフローまで管理できるので、自動管理を利用して請求金額の自動計算やアラート機能を構築した。

Officeがデータ領域、kintoneがコミュニケーションを受け持った

 こうした案件管理の基盤ができたことで、kintoneの導入が認められ、まずは文書のペーパーレス化が進められたという。電子化されたドキュメントはすべてkintoneの文書管理アプリで一元管理し、「郵便物管理アプリ」と連携させたという。「kintoneは1レコード単位でコメントが付けられる。ワークフローを流している間もやりとりが見えるので、コミュニケーションがやりやすくなった」と伊藤氏は語る。

 業務プロセスの改善活動も継続的に進めた。一番、大事にしたのは「人のせいにしない」ことだという。「人が悪いのではなく、プロセスに問題があるとつねに言い続けた。プロセスをどのように改善すれば業務が変えられるのかを徹底的に議論した」と伊藤氏は語る。そして、kintoneの価値はまさにこのプロセスの改善に、アプリが追従できるという点だという。「すぐに変えられる。すぐに試せる。これがkintoneで便利なところ」(伊藤氏)とのことで、改善を繰り返した結果、10日以上かかっていた請求業務が3日で終わるようになったという。

改善活動をつねに繰り返すことで、請求業務の短期化を実現した

部署から全社プラットフォームへ、グループ全体まで広がるkintone

 伊藤氏の提案で現在進めているのが、kintoneの全社プラットフォーム化だ。システムはばらばらに運用するより、一元化した方が管理もしやすく、コストメリットも大きい。案件管理や請求業務からスタートしたkintoneの利用だが、現在は社内の異なる領域でも利用されているという。

 たとえば、取引に先だって企業の与信や調査を行なう「取引先調査アプリ」を作った。従来は、人手で企業調査や与信調査サービスにアクセスし、調査結果をExcelやPDFの報告書で提出するという流れだったが、なにより人手がかかるのと、過去の調査の重複もあった。これに対して同社が作ったkintone取引先調査アプリは、取引先名と代表者名を入力するだけで、RPA(Robot Process Automation)が企業調査や与信調査のサイトからデータを取得し、過去に重複がないかもチェックする。最近ではさらにワークフローも取り込んでおり、取引先登録申請から調査依頼、上長確認、決済、マスターへの登録までをすべて自動化しているという。技術的な詳細はあきらかにされなかったが、非常に興味深い事例だ。

RPAまで取り込んだ取引先申請システム

 また、営業マン向けの「ビジネスマッチアプリ」も作成した。同社では引き合い情報を取得できるビジネスマッチサービスを利用しているが、地域や課題も異なる引き合い情報を全営業にメールで流してしまうのは無駄も多い。ビジネスマッチアプリではサービスから取得した引き合い情報を、誰に配信するのが適切なのかAIで判断させ、プッシュ通知させている。また、引き合い情報は通知した人や内容といっしょにkintoneのレコードに自動登録されるので、日報等でそのまま進捗管理ができるという。「業務プロセスの改善を営業マン自体が提案してくれるようになった。PDCAサイクルを回しながら、kintoneに反映させる仕組みがうまくいったと思っています」(伊藤氏)。

 全社プラットフォーム化したkintoneの利用は、監査法人からも高い評価を得ることができ、今度はエムジーホールディングスのグループ全体へと拡大することになったという。「今度はお客様にも感動を」という部下の言葉に感銘を受けたという伊藤氏は、プロセスとシステムの両輪での改善を訴えたセッションを終えた。

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