FacebookがVRに取り組む理由となる1つの可能性
筆者が感じている、あるいは期待しているFacebookがVRに取り組んでいる動機の1つに、「家族や友達との体験やコンテンツの共有に対して、可能性がある」という前提を持っているように感じています。
Facebookアプリでは、すでに写真やビデオの360度対応を果たしており、ニュースフィードにたまに流れてくる写真ではスマホの向きを変えてその場にいたような感覚であたりを見渡すことができます。
Facebookは平面の写真やビデオから仮想的に部屋を再構築して思い出の写真を楽しむ機能を、今回のF8 2018で紹介しています。VRカメラがない時代の様子をVR化する技術を作った理由は、これからの未来はほとんどの体験をVRで記録すると考えているからではないでしょうか。
確かにコンテンツはさまざまな楽しみがあります。しかしFacebookの本丸はどこまでいっても「意味のある家族や友人との関係性」であり、そうした思い出や記録を楽しむツールとして、VRがあるという未来を描いているのでしょう。
今はまだ「VRが最良のFacebook体験」にはなっていませんが、Facebookは近いうちに、そうしたシフトへと舵を切っていく。そうした中で、スマホアプリやパソコンのブラウザよりも「VRゴーグルが良い」とより多くの人に気づかせる瞬間を発見するのではないでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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