週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUPレポート

世界でひとつのグッズがその場でつくれる布用プリンター「RICOH Ri 100」

2018年04月13日 06時00分更新

「RICOH Ri 100」を開発したCIP開発本部 IP開発センター 相澤裕氏。IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUPの会場では、開発秘話を交えたデモに多くの来場者が集まった

 2018年3月22日に開催された「IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP」の会場でひときわにぎわっていたのがリコーのブースだ。衣類に直接プリントできるガーメントプリンター「RICOH Ri 100」の印刷デモが実施されており、本体約30万円の低価格とイベントスペースにも置けるコンパクトさは、来場者だけでなくほかの出展者からも関心を集めていた。

誰でも使えるように、小型・安全・簡単を実現

 ガーメントプリンターは、Tシャツやトートバックなどの布地に直接プリントできるプリンターだ。シルクスクリーンのような製版が不要で、写真などの精細な画像をフルカラープリントできる。インクジェットプリンター感覚で手軽にオリジナルグッズがつくれるのが魅力だが、一般的なガーメントプリンターは150万円前後が相場といったところ。またサイズが大きく設置場所をとるため、小さなオフィスや小規模の事業主には手が届かなかった。

 「RICOH Ri 100」は、誰でも手軽に布地プリントが楽しめることをコンセプトとして開発された。価格は29万8000円(税抜)で、一般的なガーメントプリンターに比べて5分の1ほどの安さだ。

 「オフィス向けインクジェットプリンターをベースに、実際に布地にプリントできるテスト機を使ったマーケティングを、利用する人と直接会話するために設計・開発メンバーといっしょに市場へ出向いた。苦労はあったが、コンセプトに合わないものは搭載しないという開発もできた。もちろん、徹底的にコストもこだわりました」(相澤氏)

 オフィスの机や店頭カウンターに置けるようにサイズも小型化。幅40センチ×奥行70センチで、見た目はA4のインクジェットプリンターだ。しわ伸ばしや定着に使う仕上機「RICOH Rh 100」もコンパクトにして、本体を上に重ねて設置できる。

 店頭にて目の前で使えるように、安全性は徹底的にこだわったという。

 「仕上機は、布地にインクを定着させる道具として必須なのですが、熱で急速に布地の表面を乾かす以上、いままでの一般的な道具では小さなお子様が触れないような場所に置くしかなかった。「誰でも簡単に」というからには、安全面を第一優先とし、家電としての作りこみをした。悩んだことは、一般の方々にはこの機器の機能がオーブンレンジのような機能を持っているという認知がされていないということが、安全性についてどこまでやればいいのか、ということでした」

 また、初心者でも簡単に使えるように専用デザインソフトウェアが付属。生地の厚さ、大きさの選択、印刷したい画像の選択、の3ステップでプリントできる。

専用デザインソフトで印刷したい写真を選択

カセットに布地をセットし、仕上機でシワを伸ばす

カセットを本体にセットし、プリント開始

約5分(鮮やかモード)で印刷できる。仕上機で乾燥させれば完成だ

記念品やお土産の差別化に、自分でお客様の目の前でつくる楽しさをプラス

 展示会などのイベントでは、会社や商品の名前を覚えてもらうために、ロゴ入りのグッズなどノベルティを配布するのが定番だが、どこの企業でもやっているため、費用をかけてグッズを制作しても、特段の集客効果は望めない。コンパクトな『RICOH Ri 100』は、イベント会場にも持ち運べるので、来場者の目の前でグッズができあがる”体験”を提供できる。

 実際、今回のリコーブースでは、好きなスマホ画像をTシャツやバッグにプリントするデモをしており、体験した来場者は、ペットや子供の画像をプリントした作品を手によろこびの声を上げていた。

 イベントの集客ツール、コンテンツビジネスをしている企業やアーティストのグッズ販売、観光地の記念品づくり、モノづくりスペースの設備など、新しいビジネスチャンスが生まれそうだ。

ブースに通りがかって体験したSIerさんは、子供の写真をトートバッグにプリント。人を呼び、笑顔にするプリンターだ

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事