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VAIOのマシンをシンクライアントとして利用可能に

なぜVAIOは組み込み向けWindowsを、自社製品に取り入れたのか

2018年04月09日 09時00分更新

ネットワークの環境変化でシンクライアントが注目されるわけ

 シンクライアントは、7~8年前に一度、積極的な導入が進んだ。その多くはセキュリティを重視する金融系企業だが、ほかの業種にはなかなか広まらなかった。

 というのも、当時はネットワーク環境が脆弱であり、大量に導入すると、一部の人が大きなデータを処理するだけで、全体のパフォーマンスが一気に落ちるといった弊害があったためだ。そのためサーバーやネットワークを含めた大規模な投資が必要で、導入できる企業が限られていたのだ。

 しかし、現在ではインターネットへの接続回線も強化され、携帯ネットワークもLTEとなり、モバイル環境でも安定した利用ができるほどになってきた。こうした背景もあり、2017年の秋ごろから非常に引き合いが多くなってきているという。

 「働き方改革という言葉ともに“ITを使って、何かしら新しい働き方を考えていこう”という動きが出てきたのだと思います。今までは決められたデスクで、A4ノートやデスクトップPCを使って業務を遂行していた企業が、テレワークやフリーアドレスを導入し、セキュアな環境でモバイルPCを使いたいという要求が高まっています。しかし同時にセキュリティーも確保する必要がある。こういった文脈の中でシンクライアント化を検討している企業が増えているようです」(宮本氏)。

↑PC営業部 部長 宮本琢也氏

 シンクライアントのマシンとしてVAIOが注目されているのは、通常販売されているVAIO Proシリーズ(VAIO Pro PHを除く)に、Windows Embedded OSを入れられる点だ。これまでの専用マシンでは導入する側の選択肢が少なく、そもそもモバイルPCとはいい難いものも多かった。しかしVAIOであれば、ハイパフォーマンスで必要十分なインターフェースを装備し、LTEも利用できる。

 宮本氏の話では、流通業やアパレルといった分野でも、モバイルワークを実現する新しい方法として注目されているという。

 シンクライアントにするなら、さほどのパフォーマンスを必要としない。それでもVAIOに白羽の矢が当たったのは、モバイルワーク特有のニーズがあるためだという。

 「働き方改革でモバイルワークやテレワークをすると同時に、社内でのコミュニケーションも円滑に進めたいというニーズが高まっています。例えば、Skypeやウェブ会議システムは映像や音声なども扱うため、ロースペックのマシンでは動きませんが、VAIOであればローカルでこれらを動かしハイブリッド的な活用もできる。そのため、専用のシンクライアント端末ではなく、ハイパフォーマンスで、かつ薄くて軽いパソコンが求められているのだと思います」(西澤氏)。

↑技術営業課 西澤良太郎氏

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